第7話告白
昼休みが終わる頃、司、愛、忍、小雪の四人は教室に戻って来た。しかし愛は司の手を引いて教室に戻って来て、司の表情がすごく怖い顔になっていた為、何人かのクラスメイトがただ事では無いと感じ取っていたが、四人は気にず午後の授業に入った。
「あー終わった」
忍が午後の授業が終わったと背伸びする。後は挨拶して帰るだけだった。
「えーと今から呼ばれた子は残って下さい…………」
と先生が司、愛、忍、小雪を呼び残るように言うのだった。
「……」
司の顔が強張っているのを愛が気づき、周りにバレないようにそっと手を握る。
周りの生徒は順番に帰って行った。何人かは察して居残って居るクラスメイトに声をかけ、早く出るように言っていた。
「させ四人とも悪いな残ってもらって」
と担任の先生が話を切り出す。
「実はな昼休みに屋上で隣のクラスの高梨と話してたか?」
と担任の先生が付け足す。
「…………」
司は顔を強張らせている。愛は司を心配そうに見ている。
「はい。居ましたよ」
と忍が話す。
「そうか何があったか聞いてもいいか?」「近くを通った生徒が心配して報告して来たんだ」
と担任の先生が教えてくれる。それはそのはずだった。屋上の階段で一触即発の状態でまわりを気にしずに話していたら下まで聞こえてもおかしくない。
「良いですけど愛ちゃんいい?」
と小雪が愛にこのメンバーの中で話して良いか聞く。
愛は首を縦に振り司の手を握る。
愛は昼の司の怒りを思い出し心配になり手を握ったのだった。
小雪は昨日の呼び出しから屋上のこと、今日の屋上のことを担任の先生に話す。愛は小雪が知らない事を話していった。
「なるほど、今高梨にも担任が聴いていると思う。他の皆んなは付け足す事あるか?」
と担任の先生は今の話に付け足して言いたい事は無いかと聞く。
「ガタン」
司が席から立ち上がった。右手には愛が手を握っていて強く握り繋ぎ止めていた。
「どうした?何か言いたい事あるか?」
と担任の先生が司に聞いてくる。
「愛を怖がらせて」
と司が怒りを露わにする。
「そうだな、男としては最低な事をしているな。しかしそれを守るのも男だぞ」
担任の先生は司に大事なのは守る男の方と言い、今司が動いて暴れたら最低な男と同じで、圧力等に詰め寄る事になるぞと話し落ち着かせる。
「二人は好き同士ならお互い守って助け合わないとな」
「おっと片方に肩入れは出来ないから今のは内緒な」
と先生が笑う。
「そうだよ」
と忍と小雪も賛同する。
司と愛はお互い見つめ合い頬と耳を真っ赤にするのだった。
「今日は帰っていいぞ。また声かけるかもしれんがその時は頼むぞ」
と担任の先生が言い四人は帰るのだった。
司と愛は家に帰り、司は自分の家に戻りカバンを置き愛の家に行こうと玄関のドアを開けた。
「あっ」
玄関のドアの前には愛が居た。
「愛?どうしたの?」
愛が玄関の前に居て司は聞く。
「あのね、えーっと」
と愛は頬と耳を真っ赤にして何かを言おうとしている。
「愛」
司は愛の名前を呼び
「好きだよ。僕と付き合って」
司は告白する。
「……うっ」
愛は一瞬固まり涙を流す。
「えっえっ」
司は戸惑った。
「わ私が言おうとしたのにー何で言うのー」
と愛が泣きながらポカポカ叩きながらと怒ってくる。
「アハハ」
司は何だと笑うのだった。
余談二人の告白は愛の母が隣の家から見守っていたのだった。すぐさま司の母にも連絡が流れ、司の母は仕事を早退して夕食時に帰って来たのだった。
司と愛は母二人にバレていたと知りすごく恥ずかしい思いをするのだった。
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