第6話
昨日告白されてグイグイときた高梨君が今日も愛を昼休み呼び出した。司は嫌な予感がすると後を追いかけ、忍は司の行動に驚き、小雪は眉間にシワを寄せ高梨君ねーと昨日のことを思い出すのだった。
高梨と愛は昨日と同じく屋上の扉の前に移動した。
「何ですか?」
愛は高梨に呼ばれた理由はと聞く。
「考えてくれたかな?」
高梨は昨日の告白はまだ保留だと思い返事を聞いてくる。
「えーっと、私は」
と愛が返事を言おうとすると、
「司って奴より僕の方が良いよね?」「かっこいいし、スポーツ出来るし、お小遣いだってあるし、勉強だって出来るし」
と高梨は昨日と同じ話をする。
「……」
愛は無表情になり黙る。
「ねっ僕と付き合おうよ」
と高梨が一歩近づいて来る。
「お断りします」
愛は高梨の告白の返事をする。スカートの裾を握りしめて必死の声で答えた。
「えっ……」「ももう一度聞かせてくれる?聞き間違いだよね?」
と高梨は受け入れられなく話す。
「お断りします。わ私は司のことが好きなので」
と愛がはっきりと断り司のことが好きと言う。
「な何でアイツなんかを」
と高梨が意外と愛に詰め寄る。愛は数歩下がるが詰め寄られ壁に突き当たってしまう。
「絶対あんな奴より、ぼ僕の方が君を幸せにできるよ。なのに何故」「ま間違いだよね?」「間違いだ」
と高梨が愛の断りを受け入れず詰め寄り手を伸ばしてきた。
「パン」
愛は怖くなり目を閉じるた時、パンと掴む音が聞こえる。恐る恐る目を開けて見ると、高梨の手首に司の手が握られ迫る手を止めていた。
「なっお前」
と高梨が司を睨みつけている。
「つ司、何で」
と愛は司が居ることに驚いて呟く。
「嫌な予感がして」
司はボソッと言うが、司は改めて高梨を睨みつける。
「どう言うつもりですか?」「愛が怖がってますよね?」
と司が過去一番と言うくらいの低い声で高梨に言い睨みつける。
愛はもちろん誰も聞いたことの無い声だった。
「お前より僕の方が優れている。僕と付き合うべきだ」
と高梨は言い司を睨みつける。
愛は司の後ろに隠れている。密かに司の服の袖をちょこっと握っている。
「僕は高梨君よりスポーツとか得意では無いけど、愛を誰よりも大切だと思ってるよ」「誰にも渡さない」
司は高梨に強く良い睨みつける。
司と高梨がピリピリとしていき、
「はいはいそこまでだよ」
手をパンパンと叩いて階段を上がってくる。上がって来たのは小雪と忍だった。
「またお前が邪魔するんじゃねー」
と高梨が小雪を睨みつける。
「おいおいこいつ本当に高梨か?」
と忍が普段の印象と違う事を言う。
「昨日もこんな感じだったわよ」
と小雪が昨日もと話す。
どうやら高梨は猫をかぶっていたみたいだった。
「僕と愛の問題だろ入って来るな」
と高梨が司、忍、小雪を睨む。
「これ以上愛に近づくなら殺すぞ」
司が怒り低いトーンで言う。
「つ司、行こ」
と愛が司の手を取り階段を降りて行こうとする。
愛も司がここまで怒り、殺すと使ったのは初めて聞いた。嬉しくなるが、この場にいたら司が悪くなると思い司を引っ張り離れようとした。
「おい待て」
と高梨が手を伸ばそうとするが、
「パチン」
「触らないで触って良いのは司だけだから」
と愛がビシッと言い、高梨は固まった。
高梨以外は階段を降りて教室に戻って行った。
教室に四人が戻って来る。愛は司の手を引いて教室に戻って来て司の表情がすごく怖い顔になっていた為、何人かのクラスメイトが、
「えっ」「なに?」「なんかあった?」
等話している声が聞こえたが四人は気にしなかったのだった。
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