第5話
翌朝、
「司、起きなさいよ」
朝早くに大きな声で体を揺らされ目が覚める。
「やっと起きた学校遅刻するわよ」
愛が起こしに来てくれた。
「おはよー」
司は愛に挨拶すると、
「……」
愛は扉の方へ歩いて行き、リビングに出て行った。
司は首を傾げいつもと違うと思うが、心に思い至らなかった。
「おはよう」
母にも挨拶し、いつも通り朝ご飯を食べる。繭はいつもより元気が無いように感じる。すごく違和感があり気持ち悪いと感じた。
「行って来ます」
司と愛は司の母に挨拶し玄関を出る。
愛はそそくさと学校に向かってしまう。
「あ愛、早いよ」
司は愛が早く歩いていて追いかける。
「おはよう」
学校に着きクラスに入る。愛は司の前を歩いて行き、司と並んで歩こうとしなかった。
他のクラスメイトとは普通に話している。
「なー司なんかあった?」
と司が席に座りため息を吐くと後ろから声がかかる。後ろから忍が話しかけて来た。
愛は小雪と一緒に別のグループと話している。
「忍それが分かんないんだよ」
司は忍の方を向いて首を横に振る。
「あーなるほどな。たぶん司は分かんないわな」
と忍は分かりきったかのように言う。
「何だよ。分かるのか?」
司は忍の表情と言葉を聞いて問いただす。
「いやー俺から話すとなー」
と忍は話を濁してきた。
「教えて」
司は忍に詰め寄る。
「それ教えたら面白、いや野暮でしょ」
と忍が面白く無くなるを飲み込んで言い変えた。
「……」
司は忍を睨むのだった。
「何の話してるの?」
と小雪が話に入って来た。
「いやー司がさ、愛の様子がおかしいって言うんだよ」
と忍が笑いながら小雪に話す。
「あーなるほどね。司君実は昨日愛ちゃん告白されてたのよ」
と小雪が司に話す。
「えっ」
司は驚きを隠せずにいた。
「ほら言っただろ愛ちゃんは人気だって」
と忍が再び脅しをかけて来る。
「いやそこまで」
司は昨日より動揺していて、否定もできず、焦りの感情を隠せていなかった。明らかに動揺していると誰が見ても分かるくらいだった。
愛は別グループから様子を見ていた。
司は愛がこっちを見ているのに気づき目線を逸らし外を向いて落ち着くのだった。
「やれやれ」
忍と小雪はため息とお互い顔を合わせて苦笑いするのだった。
司と愛は隣同士の席だった。先生が教室に入って来ると愛は席に戻って来た。司と愛はお互い意識してギクシャクしていた。後ろの席に居る、忍と小雪はどうしたらこうなるのと頭を抱えていた事は二人は知らなかった。
昼ご飯を食べ終わり、昼休みに入った。
「愛ちゃん高梨君が呼んでるよ」
と教室の入り口辺りに居た女の子が呼んでくる。
「また?何なの」
と愛がボソッと呟き入り口に向かう。
ボソッと呟いたのに司は気づき、悪寒を感じる。
「嫌な予感する」
と司もボソッと呟き愛を追いかけていく。
「おー」
忍が驚きが笑顔で司を見送るのだった。
「高梨君ねー」
と小雪は眉間にシワを寄せているのだった。
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