ナナちゃんの怖いお話
ねえポチ、こっちおいで。
声をひそめて囁きかけるナナちゃんに、ポチは少しおっかなビックリです。
「くうん?」
「さあ、出かけるわよ。隣町のお宮さんまでお散歩よ」
ちょっ、ちょっと待ってナナちゃん。
散歩って?
今、夜中の2時だよぉ。いわゆる丑三つ時って奴だよ。どう考えてもお散歩の時間じゃ無いよ。
「あら、白癬菌のお兄さん。まだいたの?
丑三つ時に神社で怖い事があるんだってさ。楽しそうでしょ」
えーっ!
それって「百物語」とか怪談の催しか何かじゃないの?
真夜中に「怪談」って悪趣味過ぎるよぉ。
「うっさいわねぇ。阿呆の上にビビリなの?
お兄さんは来なくて良いからほっといて。
さあ、ポチ。行くわよ!」
ナナちゃん嫌がるポチに無理矢理リードを付けると引き摺る様に連れ出します。
パワハラの上に動物虐待です。
良い子は絶対真似しないでね。
「何をごちゃブツ言ってるの!
さあ、ここよ」
目の前には朱塗りの大鳥居。
本殿は山の上です。
「さあ、登るわよ〜!」
ナナちゃんリードを激しく引っ張りながら勢いよく、石段を上がって行きます。
ですが、、、。
登れど上がれど一向にお社は現れません。
も、もしかして。
怪談ならぬ階段って奴?
「てへ。分かっちゃった?
ほら、身体もたっぷりコワクなったでしょ」
(北海道・南東北・茨木・栃木等の地域では確かに「身体がだるい、疲れた」たと云う事を「こわい」と申します〜日本方言辞典より)
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