ナナちゃんとお菓子

「カタカナなんて、だぁい嫌い。全部無くなっちゃえば良いのに」


実は、ナナちゃんは、カタカナがちょっぴり苦手です。

やっと苦心してひらがなを覚えた所なのに、カタカナや漢字なんて、何だかこんがらがっちゃう。


そんな可愛いナナちゃんを、いつも天国から見守っていた神様は、すぐさま彼女の願いを聞き届けました。

カタカナよ去れいっ!


すると、何と言うことでしょうか。

たちまち地上から大半のお菓子たちが、その姿を消してしまったのです。


ケーキ、クッキー、チョコレート、キャラメル、ドロップ、マシュマロ、プリン。

そう言えば、みんなカタカナですもんね。


街じゅうは、パニックです。

乙女達の黄色い悲鳴や哀しい吐息が飛びかいます。


でも、ナナちゃんは、ぜんぜん平気。

白い歯を見せてにっこり微笑むと嘯くのでした。

「ケーキが無ければ、おぜんざいやみたらし団子を食べればいいじゃない」

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