ナナちゃんは、山が好き。

緑が一杯で、オゾンもいっぱい。

静謐な空気の中で、ぼーっとしてるだけでも、くつろぐじゃない？

登り着いた山の頂きの大きな岩に腰掛けて、対面の山に向かって

「ヤッホー！」

少し遅れて、こだまが返って来ます。

「ヤッホー」

「みんな、元気ぃーっ！」

「みんな、元気ー」

「愛し合ってるかぁーい！」

「愛しあってるかーい」

調子に乗ったナナちゃん、ちょっびり嫌なことを思い出したのか悪態ついてしまいます。

「くっそーっ！馬鹿野郎ぉー！」

「、、、。」

「ふざけんじゃね〜ぜっー、あほんだら！」

「、、、、、、、」

しばしの静寂のあとに、とても強烈な怒声が山から返って来ました。

「なんだとぉっ〜！！」

「えっ、えー？？？」

「こるぁっー！」

「きゃあ～、ごめんなさい」

ナナちゃん転がり落ちる様に山を駆け下りて行きます。

山の神様に喧嘩を売ってはいけませんと言うお話でした。

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