こどもの日に、こどもの日に

再会

小学生の美羽ちゃんもいなくなったから、砂浜をひとりで歩いてたら、また最初の大洗水族館の休憩コーナーに戻っていた。

｢あっ！お帰り！あやめっち！早かったねー！何か買ってきた？｣

って友達に言われて

｢今、小学生の同級生の女の子に会ったんだ｣

｢へー、偶然？｣

｢たぶん...｣

｢ひさしぶりに？｣

｢小学6年生ぶりだよー｣

｢なつかしいねー！どこの小学校？｣

｢愛媛県松山市の！で今、松山の梅津寺っていう海に行ってた｣

｢えっ？｣

｢小学生の頃によく行ってた梅津寺の海に行ってて、そこで小学生の時の同級生の女の子と会ってた｣

｢えっ？どういうこと？｣

｢その女の子も小学生のままだった！なんでー？｣

｢今日はこどもの日だからかなー？｣

｢えー？こどもの日だと、こどもの日に戻れるのー？｣

｢さあねー、でも会えたんでしょ？｣

｢うんっ！会えた｣

それから、友達と、ペンギンやイルカショーを見て、おみやげを買って、また電車に乗って水戸を経由して、上野駅に戻った。

｢今日はあやめっちと大洗水族館に行けて、めっちゃ楽しかったよー！ありがとう｣

｢ボクもー｣

友達とわかれて、ボクはひとりで渋谷の街を歩いていた。

交差点のあたりで

｢あれー？もしかして、あやめっちー？｣

っていう女子の大きな声、聞こえてきた。

声のするほうを振り返ってみたら

｢あー！やっぱりあやめっちでしょー！｣

って嬉しそうに飛びはねている。

飛びはねているのを見て

｢あー！もしかして、美羽ちゃんなの？｣

って、その女子に言ってみた。

小学生の時の美羽ちゃんの飛びはねているのを思いだした。

｢うわっ！わかってくれたのー？嬉しい｣

｢なんで渋谷にいるのー？｣

｢連休で遊びに来たのー｣

その日はホテルで美羽ちゃんといっしょに過ごしていた。

小学生の時、学校でいつも美羽ちゃんとふたりで過ごしていたみたいに。

｢明日の朝、ふたりでディズニーに行こう！｣

｢えっ？ディズニー？｣

｢うんっ！ディズニー！小学生の時に約束したでしょ！いっしょにディズニー行こうって！｣

｢あー！そうだー！約束したよねー！ディズニー！いいよー！行こう行こう｣

｢やったあ！嬉しいー！来て良かったー！あやめっちにも会えたしー！ディズニーで何に乗るー？｣

｢そうだなー、スモールワールドだなー｣

｢それからー？｣

｢プーさんのハニーハントかなー｣

｢それなー！あやめっち大好きー｣

｢ボクもー｣