第十四分節:ここをキャンプ地とする!([hoge]的仮題、翌年追記予定)

 1942年度早々の日本軍による陽動作戦は、充分すぎるほどに合衆国の顎を粉砕した。だが、忘れてはならない。この作戦はに過ぎないのである。では、本命の作戦部隊はなにをしていたかというと……。

「あらかじめ、パナマを無力化しておいてよかったな」

「ああ、おかげでこの作戦も速やかに進むぞ」

「しっ、静かに。誰か来る」


 1942年4月7日午後、ホワイトハウスにて。

「大統領、大変です!」

「どうした! アラスカの件なら聞いたぞ!」

「……日本軍がアンティル諸島ならびに西インド諸島を占拠致しました、連中がもし長距離爆撃機を所持していたら、おそらくはここも危のうございます」

「……は?」

「ですから!」


 ……1942年4月現在は今なおアメリカ合衆国の影響が濃いであろう中米、南米は突如として日本軍の手によって解放された。所謂「南米の目覚め」作戦である。そして、キューバと西インド諸島を直轄区域に指定した日本軍は、フロリダ半島からの東海岸進攻作戦を立案し始めた。無論、外交交渉としての取引材料として行うための、ある種の威嚇的攻撃にすぎず、恒久的占拠を行うことは見送られたものの、それは南米や中米に親日政権を樹立させることによって補完するものとされることとなった。

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