蛋白石

きし あきら

蛋白石


わたくしは きょう

夜に手をさしこんで

ひかりかがやく

心臓のひと欠けらをえた


少女風にいえば

それは蛋白石のなみだ


恋ごころ

であったもの


(むかし話には

砂糖菓子

ナイフをそえれば乳酪に

指でつまめば塩となる)


きょうならば

蛋白石はこんなに燃える


白く

ときおり虹のひかりをちらし

音をたて

おとをたて


やがては明けぞらにほどけ

星ぼしとほどけ

かすかな

ひかりと夜のにおいをさせる


(夢のあそびの

生きる糧)

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蛋白石 きし あきら @hypast

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