第2話 ゴブリン討伐
「うん?ここは…」
俺は丘の上にある1本の木の元に寝転がっていた。
見覚えがある…
ここは確か初めて俺がリオと将来冒険者になろうと誓った場所だ。
隣にはリオがいた。
「どうしたのレイくん?」
「なんでも無いちょっとぼーっとしてただけだよ」
「そうなんだ…僕ね?さっきレイくんが将来一緒に冒険してくれるって言ってくれてほんとに嬉しかったんだぁ」
流石にもうわかる…これは夢だ。
俺はなんとも言えない感情に包まれ何も答えられない。
「…」
リオはそれでも変わらずに話し続けた。
「だからね?僕は何があっても君を守るよ!必ず」
そこまで聞いて俺の意識は薄れて言った…
「ちっ…なんて夢だ…」
俺は夢から覚めるとそう舌打ちしながら呟いていた。
あんな事があった後にこの夢を見るのは正直キツイ。
窓を見ると朝日が差し込んでいた。
「とりあえず装備の確認をしておくか」
俺が今手元にあるアイテムは解毒薬1つと回復ポーション3つそして武器の使い慣れたナイフ。
「多少回復は心もとないが…まぁこんなもんか」
少しならギルドから支給されるだろうからちょうどいいぐらいになりそうだ。
そうして俺は冒険者ギルドに来ていた。
「おはよう!ライラさん」
「おはようございます!!レイさん」
「早速昨日の依頼を受けさせてくれ」
「もちろん、あれから依頼内容に変化はありません後これがギルドからの支給品で、これが目的地の地図です」
そこには回復ポーション2つと解毒薬2があった
「ありがとう!それじゃあ早速行って来るよ」
「気を付けて行ってらっしゃいね!」
―――――――――――――――――――――――
「さて…そろそろ目的地か」
俺は目的地の近くについていた地図を見る限りもう少し先に行ったところがポイントだ。
そして昨日言っていた通り近くに森がある。
「ここからは気を引き締めていくか」
今回の依頼内容は確認されたゴブリン10体の討伐だ。
ゴブリンは緑の1.2m程の小人のような姿している。
力こそ大した事ないが群れることが多く武器を扱い味方と連携する程度の知能もある厄介な魔物だ。
個々の力が弱いとは言え油断はしては行けない。
しばらく進んでいくとゴブリンの群れが目に入る。
「数は…2…5…8…ちょうど10体か…そのうち弓持ちが3体他は棍棒持ちか状態異常付与の能力を使うレベルでは無いな」
そう思っていると、どうやら向こうも俺に気づいたようだ。
「ギャウ?!…ギャア!」
そんな声を上げながら一斉に俺の方に向かってきた。
俺は素早くナイフを構える。
そして地面を思い切り踏み込み1番近いゴブリンの横を通り過ぎると同時に首を切った。
切られたゴブリンは魔石に変わる。
「1…」
そこに左右同時にゴブリンが棍棒振りかぶり襲って来るがそれを体を捻ることで最小限で避けつつ右側のゴブリンの首を切り付けその反動で左側のゴブリンに振り返り胸にナイフを1突き。
そして体が崩壊し2つの魔石に変わる
「3…」
残りは7体だ
しかしそんな事を思っているうちに前方から弓矢が3本同時に飛んでくる。
俺はその内1本を掴むと同時に近くのゴブリンに投げ返しそれが顔面に突き刺さる。
「ギャアアアア!?」
そうしてゴブリンは悲鳴を上げる
「4!」
ゴブリンの矢には毒が塗られているそのまま放置すれば命は無い。
後は弓3体棍棒3体
そして棍棒持ちゴブリンはきちんと弓持ちの方を守るように立ち塞がっている。
「一気に終わらせようか…」
そして俺は再び地面を蹴る。
ゴブリンもそれと同時にこっちに向かってくる。
今度は横に棍棒が振り払われるが俺はそれを飛び越え奴らの後に回りそのまま弓持ちまで突ッ込む。
もちろん弓矢が飛んでくるが当たる訳もなくその勢いのまま1人また1人と的確に首を切っていく。
1人、2人と魔石に変わる
2人をやった所で棍棒持ちが追いついてきたので完全に到着する前に落ちていた弓矢を拾い残った最後の弓持ちに投げつけた。
それは見事に胸に刺ささりそのゴブリンは崩れ落ちまた魔石に変わる。
「7…」
そして追いついてきたゴブリンが後ろから襲ってくるが影を見て避けると同時に切りつける。
しかし浅い
「ギャウ…!」
そんな声を上げるだけで絶命にまでは至らずよろけた。
しかしその隙を見逃すはずもなく再び切りつけ今度こそ魔石に変わった。
「8…!」
そして遅れてきた2人のゴブリンも素早く的確に急所にナイフで切り裂き絶命させた。
「10…これで終わりか」
一応これで依頼は完了だ後は魔石を回収して帰るだけだ
俺は魔石を回収して帰路に着いた
しかし、それは帰り道に起こった…
「まぁそう簡単にはいかんよなぁ」
それは森に1番近くなった時だった。
「ガゥゥ…!」
興奮した様子の虎の魔物がいた。
「にしても薄い緑と白の体毛ウィンドタイガーか…」
こいつはかなりの強さの魔物で中でも速さがトップクラスだ俺がいた勇者パーティーでこそ簡単に倒せたがその時俺は大怪我を負った。
そんな事を思っているとふとヒュっと音が鳴った。
「チッ!」
俺はそれに即座に反応したが手のひらに触れるとほぼ同時に右腕に激痛が走った。
もし初見ならこれで死んでいただろう。
実際こいつを初めてやった時はリオに助けられたおかげで生きていた。
それにそもそもこいつと初めてやった時の理由も冒険者の死亡被害が相次いだからだ
そんな事を思いつつ右腕に目をやると腕が綺麗に切断されていた。
「痛ってぇ!流石に速いな…」
幸い近くに腕が落ちていたので拾い回復ポーションを1本かけながら腕をつけた。
何とか腕は繋がった。
「本気でやるか…」
俺はそう言いながらナイフを構えるのだった。
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