第22話 帝国の危機
レオーネ王国で軍の動きが急変して、帝国への侵攻を開始したとの噂が流れてるの。国内の魔物騒動が続いてるのに、隣国に攻め入るなんて理由が判らない。けど、王都の警備が甘くなるかも知れないのは、私にとっては好都合なんだけど、私を王都へ誘き寄せる罠の可能性も考えられる。
ブラッドさん達【影】が王国の情勢を調べた結果。王国が帝国へ侵攻したのは間違い無く、軍隊の力の差が歴然で王国の進軍は止まる事なく進んでるみたいなの。
帝国に居るセイレーン様達の事が気になるので、念話を入れてみた。
『セイレーン様、帝国がレオーネ王国に攻められてると聞いたけど大丈夫なの?』
『王国兵の強さが圧倒的で、かなり攻め込まれてるのよ。不味い状況なのは確かよ。』
『あのね、レオーネ王国は魔族と組んでるみたいで、その中に魔族の兵士が居るからだと思う。』
『魔族と…だから一般兵では太刀打ち出来ないのね。あのね…私は戦地に向う事になったの。私が作った組織があるから出撃要請が出たのよ。』
『そんな、セイレーン様は学園生なのに…』
『学園生でも一定水準の者は戦地へ行く者が多いのよ。でも、セレスティアには好都合じゃない?警備が手薄になった王都へ行くんでしょ?』
『うん、警備が手薄か確認をしてるところなの。』
『王都へ無事向かえる事を祈ってるわ!お互いやるべき事を頑張りましょう!私は出撃準備があるから念話はここまでね。』
『うん…セイレーン様、ご武運を!』
念話を終えて心がザワつく…王国の兵が帝国へ向かってる今なら、王都へ近づく事も容易だと思う。けど、セイレーン様達が危険だと知った事で、私は王都へ行く事よりもセイレーン様を助けたいと思ってるの。
王国打倒が私とママの願いだから、何よりも優先すべき事なのに…セイレーン様を助けに行きたい…
その事で悩んでるとママが話し掛けてきて、
「セレスティア、浮かない顔をしてるわね?」
「うん…レオーネ王国の侵攻で帝国が苦戦していて、セイレーン様が戦地へ向かうって聞いたの。」
「セレスティア、あなたの心に従いなさい。後で後悔しない為にも心に従うのよ。」
「ママ…それだと私は帝国へ向かう事になるの…ママの願いは…」
「ママの願いで一生後悔するなら、帝国へ向かいなさい。終生の友を助けてそれからでも問題ないわ。」
「ママ、ありがとう。私は帝国へ行くね!」
私は自分の心に従い、帝国へ向かってセイレーン様を助けに行くの。
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