第21話 レオーネ王国の秘策

 王国内で魔物に強襲は終息したとの報告はあがってこない…最強の軍事国家と言われるレオーネ王国が、2年掛けても終息出来ないのだ。


 デイビッドが討ち死にするところまでは順調だった。後は親王騎士団を投入するだけで全てが終わる筈だったが、天子セレスティアは魔族を倒す程の強者だったのが誤算だった。


 対処に苦心してるそんな時だ。【闇】から報告で、以前にデイビッドが【闇】【刻】に調べさせていた天子の資料が見つかったのだ。


 資料の内容は有益な物であった。

 天子セレスティアは帝国の学園へ通っていた頃に、第二皇子と第一皇女とかなり親しかったらしいのだ。この関係は使えると判断した。


 国内の魔物騒動は無視して、ティアード帝国への侵攻を開始させる事にした。見つける事が難しく後手に回ってばかりの相手より、明確に判る相手と戦う方が遥かに楽なのと、親しい友の居る帝国が侵攻されれば助けに行く筈だ。

 何せ、倒そうとしてる王国の弱者を救う為に魔物と賊を処分する程のお人好しだ。友の危機と知れば必ず王国から帝国への向かう。

 こちらから仕掛けるので戦闘地域も把握できるから、天子を直接叩く機会もある筈だ。

 天子セレスティアよ、これからが王国の反撃の開始だ。覚悟するが良い!


➖➖➖スレイン視点➖➖➖

 国境警備隊からレオーネ王国の侵攻が開始されたと報告を受けた。国内が不安定と思われるこの時期に侵攻する事を、全く予想外できておらず対応に遅れが出ている…

 更に王国兵士の圧倒的な強さの前に、押し込まれて撤退を余儀なくされた。陣形を立て直すも持ち堪える事すら叶わない…これが最強の軍事国家なのか。


 そんな時、セイレーンが戦地へ向かうと事になった。学園に籍を置きながらも、自分の組織を作り上げたセイレーンへ軍部が要請したからだ。皇位継承権を返上した為に、父上でも特別扱い出来ないのだ…


「帝国の為に戦地へ向うのは名誉な事、必ず良い戦果を上げてくるわ!」


 その言葉を残してセイレーンはカンテラとストラトスを連れて戦地へ向かったのだった…


 妹よそして友よ武運を祈る。

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