第20話 その程度なの?

 ベンゲルは大剣を両手に持ち、一気に速度をあげて大剣で突いて来る。〚未来視フューチャー〛で攻撃が判ってるので、前回りから踵落としを大剣に入れると地面に突き刺さった。あっさりと攻撃を躱されベンゲルの表情が少し強張る。


「私の突きに反応するとは中々やるな。」

「魔族の強さを調べようと思ってなかったら、その首を刎ね飛ばしてたけどね(笑)」

「これからの攻撃は一味違うぞっ!」


 大剣を上から斜めに斬り下ろすと、大剣が二本に分かれ双剣となり剣の軌道が変わる。確かに一味違ってたけど〚未来視フューチャー〛のある私には効かない。何事も無かったように双槍で軽く受け止め、鳩尾に蹴りを入れたら前に崩れたの。


「あがっ…なぜ判るぅ」

「んー、格の違い?あなたは親王騎士団でどの位置なの?」

「舐めるな〜〚炎槍フレイムランス〛!」

「〚水盾ウォーターシールド〛!」


 ベンゲルは激昂して魔法を撃ってくるけど、水盾ウォーターシールドで相殺すると、


「あぁ、魔族だもん魔法は得意なのね。」

「今の魔法を簡単に相殺するだと…化け物…」

「化け物って…もういいや終わらせるね♪」


 兵士長の強さは把握出来たので終わらせる事にしたので、左眼に魔力を注いで聖眼を発動させる。


「セレスティア.Z.シルヴァニアが命ずる純潔メタトロンの力よ、穢れた魔族を浄化し滅せよ!」

「あっ…なんだっ、溶けていくぅ〜…」


 純潔メタトロンの聖なる雨が降り注ぐ。ベンゲルの体は、雨が当たると浄化され徐々に溶けていき、一片の欠片も残さずに消滅した。


「魔族と言っても末端はこの程度なのね。」


 その言葉を残して拠点へと戻ったの。


➖➖➖セイレーン視点➖➖➖

 セレスティアから念話が来たの。


 学園を退学したストラトスが、セレスティアを追ってレオーネ王国まで来たらしい…

 裏切り行為の赦しを乞う為に、危険を顧みずの行為だったけど、『赦しを乞う順番が違う』とストラトスに伝えて、私達の元へ行くように言ったらしいの。


 ストラトス、戻って来たら覚悟なさい!2度も私達を裏切るなんて、簡単には許さないわよ!

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