第19話 最強たる所以

 デイビッドを打ち倒してからは、要所を攻めあぐねてる。理由は簡単で、親王騎士団が投入されたからなの。


 親王騎士団の強さは桁違いで、前に砦攻めをした時は、最上位の従魔が居ても犠牲を出さずに落とす事が出来なかった…実際に親王騎士団と騎士と対峙したロハが言うには、


〚あれは人とは思えぬ強さでした。あれが親王騎士団の末端ならば、団長クラスは私よりも強いと思われます。〛


 ロハに強いと言わせるだけでも凄い事なのに、ロハより強い者がいる可能性があると聞いて、レオーネ王国が世界最強と言われる所以が判った気がしたので、戦略を変える必要があると感じた。


 従魔達は私の為に命を懸ける事を躊躇わないんだけど、私は人魔共生を目指しているので、私を信じてくれる従魔達を犠牲にしたくない。

 どんな戦いでも、犠牲を伴わない事なんてあり得ないと判ってるんだけどね…


 そんな訳で、従魔達を更に強化する為に、【禁忌の塔】で従魔達を解放して強化させる事にしたの。その間は何もしないわけじゃない、私は単独で幹線道路や砦等を破壊と、小道での賊と魔物の排除を続けていたの。


 ある日、私は小道で魔物達の襲撃を受けてる商人が居たので助けに入ったの。


「大丈夫?加勢するね!」

「問題ない、魔物を倒しお前も倒す!」


 その言葉と同時に商人は魔物を斬り捨て、そのまま私に剣を向けたの。私が助けに来るのを待つふりをしてた親王騎士団員だったの。


「殺されに来てくれて感謝する。」

「殺されるつもりは無いから感謝しないで!」

「親王騎士団兵士長ベンゲルだ。正確にはベンゲルだったになるのか(笑)」


 ベンゲルは笑った後に魔族の姿へ変わった。成る程、ロハが〚人とは思えぬ強さ〛と言った理由が判った。親王騎士団員は魔族なのね。


〚魔族が親王騎士団って嫌な予感しかしないんだけど…王は魔族で決まりかな?〛

〚魔語を話せるのか。何も語らぬぞどうせお前は死ぬんだからな!〛

〚その反応で十分よ。答えは判ったもん♪〛


 会話が終わると同時に、私とベンゲルの戦いが始まったの。

 私は魔族で構成された親王騎士団の強さってどの程度なのか調べさせてもらう事にした。


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