第15話 セレスティアの正義

 幹線道路を破壊して、修復工事が終わるまでは増援は無い。当然だけど物流にも影響がでて、物資の不足が発生してるの。

 商人達は危険だけど、小さな道を荷馬車で物資を運んでるみたい。整備されてないので、道中は魔物や盗賊の襲撃があって苦労してる。


 平穏に暮らす住民達の生活に、支障が出てる事を知った。ブラッドさんにその事を相談すると、王国崩壊するまではなかなか打つ手が無いと言われてたの。


 そうなんだろうけど、私の正義はそれを認めたくなかったの…なので、従魔達と魔物と盗賊の討伐に向かう事にした。ブラッドさんには王国崩壊が遅れると反対されたけど、説得して最終的には認めてもらったの。


〚ロハ、荷馬車で移動してる人は駄目だからね。小道周辺の魔物と武装してる賊を討伐するんだからね?〛

〚心得てます。後は魔核を持つ魔物が居た時は、セレスティア様に報告をすれば良いのですね?〛

〚うん、よろしくね♪〛


 私と従魔達は、小道周辺を移動しながら魔物や盗賊が居ないか探したの。暫く移動してると、人同士が争ってる声が聞こえたので向かってみると、荷馬車で移動する商人達が盗賊に襲われていたの。

 私が駆け付けるのが遅かった為に、御者の男と商人の男は既に殺されていた。その場に居るのは、積荷を持ち去ろうとする者と、同乗していた女を嬲り犯す者だった…


「うぅ…お願い…もう止めて…」

「俺達全員の慰め者にした後に、性奴隷として売り捌いてやるよ!」


『ぞわっ』


 盗賊達の非情な行為に猛烈な怒りが込み上げると、右眼に魔力を注いで魔眼を発動させた。


「セレスティア.Z.シルヴァニアが命ずる。色欲アスモデウスの力よ罪無き女に無情な行いをする者達へ、死ぬまで交わり続けさせろ!」


 男達は色欲アスモデウスの力により、己の意志に反して男同士で交わり始めたが、悍ましい絶叫が響き渡った。


「おい、やめっ…ぬぁああ〜」

「くそっ、何で男を相手に…止めてくれぇ〜」


「死ぬまで楽しむのね♪」


 男達に捨てゼリフを言って、犯されていた女性の元へ向かって行って治癒魔法をかけ傷を治した。そして引き裂かれた服は錬金術で修復して渡した。


「ありがとうございます…」

「間に合わなくてごめんね…辛かったよね。」

「いえ…性奴隷にならずに済みました…」

「ここから街までは安全だと思うけど、一応気を付けて戻ってね。」

「あの…あなた様のお名前は?」


 助けた女性に名を聞かれたの。私は王国へプレッシャーを掛ける意味込めて名を名乗った。


「セレスティア.Z.シルヴァニア、レオーネ王国へ報復する者よ。」


 そう言ってから、転移魔法で転移したの。


 その後も賊や魔物に襲われる人達を助けた後に、私は名を告げてから転移を繰り返したの。この事で、シルヴァニアの聖女がレオーネ王国へ報復しに戻って来たと噂になったの。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る