第12話 聖と魔と…

 私を包んでいた光が消えると、白黒半々の姿をしたホログラムが現れた。


『禁忌の眼を両眼に持つ者が存在するとは…』

「聖眼も魔眼も禁忌の眼なのですか?」

『そうだ。天使となる者には聖眼が授けられ、悪魔となる者には魔眼を授けられる。』

「私は右眼に魔眼を左眼に聖眼を授かりました。この事に意味はあるのですか?」

『全ての事象に理由はある。ただ禁忌の眼を両眼に持つ者は前例がないので、我にも答える事が出来ない。』

「1つしか持ってない場合はどうなるの?」

『力を解放すれば眼の色が変わっていく。聖ならばヘプタグラムの瞳が金色になれば天使となり、魔ならばヘプタグラムの瞳が緋色になれば悪魔となる。』

「判りました。私は両眼の瞳を金色と緋色にします。そうする事で授けられた理由が判ると思うので。」

『そうか、道程は厳しいだろうが辿り着く事を祈ろう。』

「ありがとうございます。」

『最後に我の〚世界の記憶アカシックレコード〛を授ける。』


 ホログラムの言葉が終わると私は扉の外へと戻された。あのホログラムが禁断の書で、禁忌の眼を持つ者に聖眼又は魔眼の真実を教えていたんだね。私は両方を持っていたから説明できなかったのね(汗)


〚セレスティア様、ご無事で何よりです。〛

〚うん、ただいま。このダンジョンですべき事はもう無いから帰ろうか!〛


 そう言って従魔を戻して拠点へと帰ったので、ママに禁断の書から聞いた聖眼と魔眼の真実を伝えたの。


「そう…聖眼は天使に、魔眼は悪魔になる者へ授けられる物だったのね。」

「うん、私は両方を授かったから両眼のヘプタグラムを完成させるね。」

「セレスティア、人ではなくなるかも知れないのよ?」

「それが私の生まれてきた理由なのなら、人ではなくなるのを受け入れるよ。もし…私が人外になってもママの娘でいさせてくれる?」

「たとえ天使や悪魔に成ったとしても、セレスティアは私の愛する娘よ。あなたの行く道を私は肯定するわよ。」

「ママありがとう♪大好き愛してる!」


 私は聖魔をどちらかを選択するのではなく、両方を選択する事にしたの。天使でも悪魔でもない存在になるか判らないけど、その道を行けば答えが判るもんね。


 この日を境に、私は聖眼と魔眼の力を解放し行使していく事になったの。

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