第10話 要塞落し

 砦や兵舎を崩壊させてると王国も黙ってる訳もなく、流石に戦力を増強されて来た。王国の増強よりも、私の従魔軍団はそれ以上に増強されてるの。


 ダンジョンの階層主ボスは確実に魔核を持ってるので、全ての階層主ボスと従魔契約をしてる。あと、難易度の高いダンジョンは魔核を持ってる魔物が多いので従魔が凄い勢いで増えていってるの♪

 増えた従魔の育成はロハでは無く、並列思考バトラーが担ってくれてる。従魔契約により従魔達とリンクしてるので、並列思考バトラーが魔物と念話出来ると判ったの。それ以降は育成は並列思考バトラーが、ロハは軍団長として戦闘の指揮に専念してる。


 戦力が充実してきた事で、ロハと並列思考バトラーから相談を受けたの。


『セレスティア様、従魔軍団は著しい成長を果たしました。ロハ殿と話をしたのですが、要塞落としをしてみたいのですが、どう思われますか?』

『主、今の軍団の力であれば、小規模要塞なら確実に落とせます。ご考慮下さい。』

『2人の意見は同じなら反対する理由は無いよ。ただ、沢山の犠牲が出るのは避けて欲しいの…私は従魔を使い捨ての駒とは思ってないからね。』

『主…私達のような魔物に対してそのようなお言葉を恐悦至極に存じます。犠牲を出さずに完膚無きまでに破壊してみせます。』


 3者による話し合いで、要塞落としを実行する事にしたの。ターゲットになる要塞は、プロチオーネ州の州都プロチオーネに繋がるカルバンハル要塞で、砲台と釣り上げ式の鉄扉に守られた強固な要塞なの。


 今回は外から攻め込まずに、地中から要塞内へ潜り込んで強襲するので、召喚してから強襲するまでに2週間を要する作戦なの。

 私は4か所で召喚をする、従魔達はそこから地面に穴を掘って潜って行くの。


 そして2週間後、要塞落としが実行される。並列思考バトラーを通じて強襲の準備が出来た事を確認すると、飛行部隊が砲弾が届かない上空から雄叫びをあげて上に注意を向けさせる。全ての注意が上空に向いてる時に、地響きと共に大きな穴が開いて、地中から大量の魔物が現れたのだ。外部からの攻撃しか想定してない兵士達は、この状況に浮き足立ち対応が出来ない、従魔達はのたうち回る兵士を次々に討ち取って行った。砲台の砲手も要塞内の強襲に大砲を撃つ事が出来ない。そして要塞内に気を取られた隙を飛行部隊に突かれ、討ち取られてしまった。


 そして強襲開始から1時間足らずでカルバンハル要塞は陥落したのだった。魔物達の強襲により要塞が陥落した事は、レオーネ王国内に直ぐに広まり、侵攻などと言ってられない状況になったのだった。

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