第81話 暴露
➖➖➖影視点➖➖➖
「さぁ、お前の帝国での雇い主は誰だ?」
「ビクトール.バリオス伯爵だよ。」
「バリオス伯爵だと?セレスティア様とパーティーを組んでるストラトスの家か?」
「そうだよ。坊っちゃんはバリオス伯爵の命で皇族の情報と天子を探してるんだよ。」
「ストラトスはセレスティア様が天子だと気付いてるのか?」
「気付いてないね。俺達も【影】が出て来るまでは気付かなかったよ。」
「一応さ、俺達の報告が王国へ届かない時は、最終報告地に天子が居る可能性があると認識されるからね♪」
「お前達が嘘の報告をするとは思えない。どっちにしても認識されるだろう。」
「チッ、俺達は消される訳か。」
「それは、お嬢様とセレスティア様が決める事だ。」
その後、ブラッドは双子から得た情報をカルメンに報告へ向かった。
➖➖➖本編➖➖➖
私はセレン様と話しが終わったので、ママの部屋へと入って行ったの。
「セレスティア、重要な話があるの。」
「どうしたの?」
「ブラッドより間者を捕えたと報告があったの。その間者はレオーネ王国王家直轄組織【刻】の者で、帝国での雇い主はビクトール.バリオス伯爵だったの…セレスティアのよく知るストラトスの父親なのよ。」
「えっ…ストラトスのお父様?」
「間者が言うには、バリオス伯爵はレオーネ王国と密な関係で、帝国の情報を流していて、ストラトスの役目は皇族2人の動向と、帝国へ逃げたかも知れない天子を探す事らしいの。」
「ただ、ストラトスはセレスティアが天子だとは気付いてないみたいね。」
「そんな…ストラトスが王国と繋がってるなんて…」
私は目の前が真っ暗になった…仲間だと思っていたストラトスが私を探していて、見つければ王国へ報告する手先の者だったなんて。
「どうする?セイレーンには伝えてあげる?」
「えっ?セレン様の動向も報告してたのなら教えてあげて、一緒にどうするか決めたい。」
「今ならまだ間に合うわね。セイレーンの所へ行きましょう。」
そう言って、私とママはセレン様の寝てる部屋へ行って、間者の事とバリオス伯爵家の事を全て話したの。
「そんな…バリオス伯爵が…それにストラトスまでが帝国を裏切っていたなんて…」
「私…伯爵は知らないけど、ストラトスが私達を裏切ってるなんて信じられないよ。」
「レンの事は裏切ってないわよ。だって天子だと気付いてないんだから。」
「だけど…王国は私の敵だからさ、繋がってるならストラトスは敵になるよね…」
「確かめるしかないわね。レンが天子の事は黙っておいて、皇族の動向を報告してる件で問い詰めるべきかと思うの。ブラッドさんが帝国の諜報部の者って設定で間者を捕えて、バリオス伯爵が王国と通じでると聞いたと尋問するの。」
「そうね、セイレーンに頼むのが良さそうね。」
「お母様、お任せ下さい。」
明日、3人が長屋に来たらストラトスを拘束して、バリオス伯爵家の裏切り行為を尋問する事になったの…
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