第82話 ストラトスの告白
翌朝、打ち合わせ通りにストラトス達が来るのを待ってるけど、気持ちは凄く重い…今でも間者の情報が間違っていて欲しいと思ってるの。
「おはようございます!」
「おはよう、もう少しで準備が終わるみたいだから、もう少し待ってね。」
ママが3人と挨拶をして、椅子に座って待つように促したので3人は椅子に座った瞬間。
ミスティーク先生が土魔法でストラトスを拘束したの。
「えっ…なんだ?」
突然の拘束に驚くストラトスと他の2人。拘束したのを確認してから、セレン様と私は部屋から出てストラトスの前に立って、その後ろにブラッドさんとミスティーク先生が控えたの。
「ストラトス、拘束された理由が判るわね?」
「セレン様、なんの事でしょうか?」
「ジャーメルとジャーマルって双子。」
「っ…双子がここへ?」
「後ろに控える私の護衛が拘束したわよ。」
「…僕は、いえ、バリオス伯爵家は帝国を裏切ってきました。皇子と皇女の動向を父を通してレオーネ王国へ流してました…」
「それだけでは無いでしょう?」
「うっ…シルヴァニアの天子が、生きて帝国に逃れている可能があるので、それらしき者が居ないか探す事もしてました。」
「バリオス家はどうしてそんな事を?」
「帝国はレオーネ王国に勝てないから、情報を流して勝利に貢献すれば領地は奪われないと、密約を交わしたからです。」
「貴方はどこまでの情報を流したの?」
「皇子と皇女の性格、能力、交友関係は伝えました…天子については、この国に居るのかさえ判らないのでまだ伝えてません…」
「まだ?とはどう言う事なの?」
「レンです。レンは僕達とは違う次元の存在だと感じたのですが、伝えられた容姿とかけ離れているので、報告するべきか悩んでました。」
セレン様とストラトスのやり取りを聞いて、私は人を信じるのが怖くなってきた…表面上からは判らない裏がある。セレン様のように全てを見せてくれる人は稀なんだね…
「でも、メルとマルを派遣したって事は、僕は父から信用されてなかったんですね。あの双子は王国直轄組織【刻】の者ですが、父の妾が産んだ子で王国へ忠誠の証に渡した者です。」
「全てが正しいか確認させてもらうわよ。」
そう言うと、拘束されてる双子が連れて来られたの。
「今のストラトスの言葉に間違いはない?隷属の首輪を付けたから嘘は言えないわよ?」
「あぁ、坊っちゃんの言う通りだよ。」
「でも、坊っちゃんは可愛い子ちゃんの事を伝えるのは悩んでないだろ?天子と判っても黙ってたんだろうが…惚れたからって俺達を裏切るつもりだったもんな!」
「伯爵は坊っちゃんが寝てる間に、精神魔法で全てを知ってたんだよ(笑)」
双子が色々と話してると、双子の片方に異変が起こったの。
「ぐっあああ…な…んだ……」
「マル、どうしたんだ?大丈夫か!」
声を掛けた頃には雰囲気が変わっていたの。
「どうも初めまして、レオーネ王国王太子【デイビッド.レオーネ】だ。遂に見つけたよ我が天子。もう直ぐ僕の物になるんだ楽しみで仕方ないよ」
不適な笑みとその言葉を残すと、ジャーメルは既に人成らざるモノに変わっていた…
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