第60話 前期終了

 学園序列決定戦が終わって前期の日程は終了したので、暫くすると2ヶ月の休暇になるの。


 ゼクス殿下の陰謀があった事を、皇帝陛下より帝国内で公表される大騒動があったので、学園内は未だに落ち着きを取り戻せてない。ゼクス殿下に近かった人達は、スレイン様やセレン様に取り入ろうと必死なんだよね……


 学園なんだからさ、政治的な事は気にせずに楽しめないものなのかな?貴族的な考えを持たない私には不思議だった。


 前期の最終週の授業は、後期から始める討伐訓練の最終調整を各班がしてるけど、私達A班はスレイン様の体調を考慮して、談話室で勉強会と感知の訓練をしてると、セレン様がみんなに声をかけた。


「来週から休暇になるけど、みんなはどうするの?」

「僕は領地へ戻ってのんびりするかな」

「俺は親父が家に居る時は、稽古をつけてもらって、後は自主練だな」

「私はスピカへ戻って、ママとゆっくり過ごすよ」

「スレインは静養になるわね?」

「あぁ、後期には万全の体調にするよ。」


 ストラトスが答えてから、カンテラが答えた後に私も答えたの。最後にスレイン様が答えるのかと思ったら、セレン様が静養と言うとスレイン様は頷いてから答えた。


 みんなが休暇の予定を話しているのに、セレン様はどうするのかな?って思った時にセレン様が自分のことを話しだしたの。


「私は、レンと一緒にスピカへ行くわ。帝都に残ってると、兄様の失脚で派閥から溢れた輩が私に接触してきて息苦しいもの」

「えっと……初耳なんだけど?」


 セレン様の言葉を聞いたスレイン様は、驚いて聞き直すと直ぐに返事をする。


「今決めたのよ?駄目かしら?」


 私の方を向いて言うので、驚きながら答えた。


「駄目じゃないけど、狭いしボロ家だよ?」

「構わないわ。レンのお母様に会ってみたいって事もあるしね。きっと素敵な方なんでしょうね♪」


 皇族が滞在するような家じゃないと伝えたけど、気にしないと言うので止めることは無理だった。

 

「それなら、僕もレンの所へ行きたかったよ…両親には戻るって伝えたから変更出来ない……」

「男達は無理ね。女同士の休暇を満喫するんだからね!スレインもスピカで静養とか駄目だからね!」

「……判った」


 男子連中は複雑な表情をしていた。


 こうしてセレン様は私と一緒にスピカへ戻ることになったの。ママに私のを紹介できることが待ち遠しく思ったの♪

 大好きなママと、大好きなセレン様、大好きな人と過ごす休暇はきっと楽しいものになると思ったの。


➖➖➖➖A班男子視点➖➖➖➖

「なんか、セイレーン様だけズルイよな…」

「あぁ、セレンと一緒に休暇を過ごすとか…羨まし過ぎるよ…」

「僕もセレンと一緒に静養をしたかった…」


 3人とも思った事を口にした。


「はぁ…後期の休暇はスピカへ行ける様に手を組まないか?セレンからOKを貰えればセイレーン様も口を出さないよな?」

「セイレーン様の弱点はセレンだからOKを貰えればコッチのものだね♪」

「休暇をセレンと過ごす為の三人同盟だね。後期は討伐訓練の時が勝負かな?」

「あぁ、決して負けられない戦いだ。」

「必ず勝とうぜ!」

「「おぉ~!」」


 こうしてA班男子による三人同盟が組まれた。

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