第61話 スピカ市への帰郷
学園前期が終了して長期の休暇に入ったの。
私はセレン様を連れてスピカ市へと戻る事になったの。スピカ市への馬車はブラッドさんが用意してくれてるので、セレン様と学園の前で馬車を待つ。
「王家が使う様な立派な馬車じゃないけど大丈夫なの?お尻とか痛くなっちゃうよ?」
「後期の討伐訓練で移動する時に乗るんだから、その時の練習だと思えば良いのよ」
「まぁ、この馬車旅でお尻の強化もしちゃえばいいか〜♪」
「うん?よく判らないけどそうしましょう(笑)」
そんな話をしていたら馬車がやって来たの。
「セレンちゃん、迎えに来たよ」
「ブラッドさん、友達も一緒に連れて行くからよろしくね♪」
「ん?そちらのお嬢さんかな?」
「セレンと申します。学園のクラスメイトで、休暇を一緒に過ごさせてもらう事になりましたので、同乗させて頂きますね」
「はい、7日間の長旅になるがよろしく頼むよ」
挨拶を済ませて私達は馬車に乗り込み、スピカ市を目指す馬車旅が始まったの。
道中は、お互いがセレンだからレンとセレンって呼び合ってる事や、私が学園史上初めて1年生で、しかも平民出身者でも初めて学園序列1位になった事などを話したりして過ごしたの。この話の内容を聞いたブラッドさんは驚いていたの。
「ははは……セレンちゃんは規格外の活躍で、学園内では相当に目立つ存在なんだね〜」
「そうなの、レンは学園では断トツな存在だから、知らない者なんて居ないわ♪」
あっ……出来るだけ目立たずって言われてた様な気がしてきたよ……。今になって目立たないようにと言われたことを思い出した。
7日間の旅での就寝で、セレン様は野営を初体験してとても楽しそうだったの。私が結界を張ってるので、魔物の夜襲は絶対にないのでぐっすりと寝れたしね。
馬車旅は順調で、スピカ市まであと1日で到着する所まで来ていた。
明日にはママに会えるんだ♪
早くママに逢いたい……
➖➖➖➖ブラッド視点➖➖➖➖
セレスティア様が休暇で、スピカ市へ帰省されるので学園の前まで迎えにいくと、荷造りをした少女と一緒に待って居られる。
近くまで行くと……、帝国第一皇女セイレーンではないか!帝都に住む皇女が宮殿へ戻るのに荷造りは不要。嫌な予感しかしない……
そして、セレスティア様から皇女を連れていく聞かされて目眩がした……
お忍びだとしても、皇女が単身でスピカへ行くとなると、必ず隠密隊が控えてるはずだ。我々がスピカへ着く前に対策をしておかないと……、別動隊の【影】へ状況を知らせて、大至急の超高難易度ミッションを発令したのだった。
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