第54話 スレインの成長

 翌朝、セレン様のベッドで目覚めた。私が先に起きたのでセレン様の柔らかな頬を『ぷにぷに』してると、『ぱっ!』と目を開いた。セレン様が起きたので、私は朝の挨拶をする。


「おはよう♪起こしちゃった?」

「えぇ、流石に頬を触られたから……覚えておきなさい?次は私がお返しするわよ」

「うん、着替えてご飯へ行こう」


 食堂で朝食を済ませた後は、私達は闘技場へと向かう。今日から準々決勝で、ここからシードされてる5年生が参加するの。私の相手は5年序列1位のスナイダー先輩で、スレイン様は序列3位シェルドン先輩との対戦になる。


「レン、私が応援してるんだから、必ず勝ち進んで優勝よ?」

「期待に応えれるように頑張るね」


 私は闘技場の中へ、セレン様は観覧席へと向かったの。


 スレイン様は第2試合で、私は第4試合なので、スレイン様は私の隣の席に座って出番を待っていた。第1試合はコール先輩が5年の先輩に勝利して準決勝進出を決めたの。コール先輩は闘場から降りて来ると私に話し掛けてきた。


「嬢ちゃん、決勝でリベンジするぜ!」

「先ずは決勝に進んでから言って下さいね」

「コール先輩、僕が貴方に勝つのでリベンジは無いですよ」

「坊っちゃん、それこそ準決勝に進んでから言えよ?」


 コール先輩との話が終わると第2試合が始まる。

 スレイン様とシェルドン先輩は互いに槍と盾を持ち、試合が始まると同時に激しい攻防が繰り広げられた。魔法の詠唱をする余裕など与えない武の力のぶつかり合いで、どちらが勝つのか判らない状況が続いたの。


 そんな均衡を破ったのはスレイン様で、生活魔法のウォーターをシェルドン先輩の足元へ発生させてバランスを崩させたの。スレイン様はその隙を逃さず、シェルドン先輩の盾への盾攻撃シールドアタック放って盾をかち上げたの。最後は無防備になったシェルドン先輩の胸元に槍を寸止めした所で、シェルドン先輩は悔しそうに降参したの。


「参った……まさか生活魔法とは」

「色々な戦い方があるんだと学んだおかげです。ありがとうございました」


 スレイン様は無事に勝ち上がって、準決勝でコール先輩と戦う事になったの。第3試合は5年生がセブルス先輩に勝って最上級生の連敗を止めたの。セブルス先輩を『ボコボコ』出来ないのは残念だった。


 そして第4試合が始まる。そう次は私の出番だ!

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