第32話 規格外の魔法
おじさんの言う通り日が傾き始めた夕方になると、オーク達が牧場へ向かってやって来たの。オークの数は6体で、全てのオークが棍棒を手に持ちながら『ノシノシ』ゆっくりと歩きながら、家畜小屋へと向かって行く。
オークからは見えないように隠れながら、私達はオークの様子を見ていると、ミスティーク先生が私に小さな声で指示を出したの。
「いいかい嬢ちゃん、あのオークの群れに攻撃魔法を撃って倒すんだよぉ。倒すのに必要だと思う攻撃魔法を頭で想像してから、全力で魔法を撃ってみるんだよぉ。もし全部を倒せなかったとしてもぉ、あたいがオークを処理してやるからねぇ。練習なんだから気楽にやってごらん」
「はい、倒せなかった時はお願いしますね」
さぁ、ミスティーク先生のお手本無しで、ぶっつけ本番でのオーク6体の討伐だね。私は6本の大きな矢で
「貫け!〚
『ビッシュッン!』
魔法を発動させて矢を放つと、大きな6本の鉄の矢が轟音を立てながらオーク目掛けて飛んでいくと、盾を持たないオーク達には矢を防ぐ事は出来ずに頭へ直撃した。高速回転した大きな矢がオークの頭に当たると同時に『グリグリ』と食い込んで、オークの大きな頭を一瞬で貫通していった。オークの大きな体は『ピクッピクッ』と少し動いた後は、前方に崩れる様に倒れていったの。
全ての矢がオークの頭を貫通したので、全てのオークが死んでると思うけど、少し間をおいてからガイさんが倒れたオークの様子を確認しに行く。槍で軽く突いても全く動く様子が無いので、ガイさんが私達の方を向いて顔を引き攣らせながら報告をしてくれた。
「えっと……6体全てが死んでますね(汗)」
ガイさんが驚きながらそう言った後に、ミスティーク先生も驚いた様子で私に話し掛けたの。
「嬢ちゃん……あんたは、魔法の真髄を理解していたんだねぇ。こりゃ驚きだよぉ……」
「えっと、先生に言われた事を忠実に実践しただけですよ?」
「いやいや、完全にあたいの想像を超えていたよぉ。嬢ちゃんはあたいよりもっと上にある魔導の頂きを目指せるねぇ」
「あははは……さぁ取り敢えず、オークから討伐部位と買取り素材を回収しましょう」
ガイさんの一声で、私達は倒したオークから討伐部位と買取り素材を回収してから、おじさんの元へ向かってオーク討伐依頼の達成報告へ向かったの。
持って帰れない残ったオーク肉はおじさんに引き取ってもらえばいいよね。
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