第33話 牧場再建案

 私達はおじさんの元へ向かって、オークの討伐部位を見せて討伐完了の確認をして貰った。

 これでオークの襲撃による家畜への被害は無くなるんだろうけど、それでも牧場の運営は大変だと思ったの。減った家畜を増やして元の状態まで回復させるには、かなりの時間を費やす事になるんだからね(汗)


「本当に感謝しかないよ。残ったオーク肉まで貰えるなんて、なんとか踏ん張って牧場の運営を続けて行くさ」

「あの、牧場の主な収入源は何ですか?」


 私は何が力になれないかを考える為に、牧場の主な収入源を聞いてみたの。


「うちは家畜を育てて、食肉を町へ卸す事が主な収入源になるんだよ。捌いた時に出る皮も売ってはいるけど微々たるものだよ(汗)」

「少しお聞きしたいんですけど、雌牛や雌山羊のミルクって余りますか?」

「あぁ、自分達で消費出来ない分は処分してるけど、それがどうかしたのかい?」


 生乳としてはなかなか流通するのは難しいけど、加工用としてなら需要があるかも知れないと思ったので、おじさんに提案をしてみる。


「あの、町でミルクを加工用として需要があれば、おじさん達はミルクを売りますか?」


 ミルクを売ると聞いたおじさんは『キョトン』としていた。食肉を卸す事で生計を立ててきたので、ミルクに関しては乳牛ほど取れないから、売ろうとは思わなかったんだね。


「ミルクを買ってくれる業者がいるなら、絞ったミルクの殆どは捨ててるからありがたいけどね」


 絞ってから殆どを捨ててるなら、欲しい人さえ見つければ販売すれば多少はお金になりそうだね。


「ミルクを少し分けて貰っても良いですか?私が町へ戻ったらギルドに聞いてみます。買いたいと言う業者があれば、おじさんへ連絡してもらうように言っておくね」

「おぉ、それは本当にありがたいよ」


 そう言ってから、牛と山羊のミルクを分けて貰った後に、依頼書に討伐完了のサインを貰った。

 既に日が落ちて暗くなったので、おじさんの家の庭を借りてテントを張って野営して、翌朝にはポロ町へと帰っていったの。

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