第31話 想像力こそ魔法の真髄

 カヴィア町の東にある牧場を目指して歩いての移動中に、ミスティーク先生から攻撃魔法についての説明を受けてたの。


「いいかい魔法の威力は、使用者の魔力量と魔力操作の技術は当たり前なんだけどねぇ、発動させる魔法を明確な形にする想像力こそが最も重要なんだよぉ、想像力こそ魔法の真髄なんだよぉ」

「想像力こそ魔法の真髄……判りました!」


 ミスティーク先生から魔法の真髄を教えられて、更に魔法の想像力の説明は続く。


「いくら膨大な魔力に繊細な魔力操作が出来てもぉ、小さな火の玉しか想像する事が出来なければぁ、大きなダメージを与えられずに宝の持ち腐れになるんだよぉ。逆に僅かな魔力に微妙な魔力操作しか出来なくてもぉ、炎の槍を想像する事が出来ればぁ、たった一発限りの魔法でもかなりの殺傷力が出せるからねぇ、戦力的にはこちらが上になるんだよぉ。よく覚えておくだよぉ」

「判りました!」


 ミスティーク先生の説明を聞き終わると、今日は発動する魔法の明確な形を想像してから、魔法を撃って魔物討伐する事がメインになるみたい。


 ミスティーク先生と私が話しに夢中になっていると、ガイさんが会話に割って入ってきたの。


「セレンちゃん、向こうに牧場が見えてきたよ。あっ人も居るみたいだ、あの人が依頼主かも知れないから声を掛けてみよう」

「はい」


 私達はもう暫く歩いて、牧場の柵の中で作業をしている人に近付いてから声を掛けたの。


「こんにちは、私は冒険者ギルドからオークの討伐依頼を受けた者です。おじさんが依頼主なんでしょうか?」

「えっ、確かにオークの討伐依頼は出してたけど、誰も受けてくれなかったんだけど、まさか、お嬢ちゃん達が討伐依頼を受けてくれたのかい?本当ならありがたいよ」


 驚きの表情を見せたけど、討伐依頼を受けてくれた事に感謝を込めて頭を下げてくれたの。


「まぁ、あたい達に任せておきなぁ!オークなんて雑魚は全て狩り尽くしてやるからねぇ」

「おぉ、それは心強いね。ところでオークなんだけど、いつも夕方になると家畜を襲いにやって来るんだよ。これ以上の被害が続くようだと、ここでの牧場運営を諦める所だったんだ……どうか、オークの討伐をよろしく頼むよ」


 おじさんは再び頭を下げたので、牧場運営を続けてもらう為にも襲撃にきたオークを、私達で必ずや全滅させようと思ったの。


 そして、オークがやって来るのを待っていると、おじさんの言った通りに、日が傾き始めた頃にオークの群れが牧場へ向かってやって来たの。


 さぁ、オーク達よ覚悟しろよ!おじさんの為にも全滅させちゃうだからね!

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