第29話 驚愕の成長速度
ミスティーク先生から魔法を学ぶようになってからは、午前中はミスティーク先生から魔法を学んで、午後からはガイさんと一緒に指名依頼の採集クエストをするというのがルーティンになったの。
今は午前中なのでミスティーク先生との授業中なの。水魔法で球状の物を具現化させて、それを自由自在に動かすという練習をしている。これまでの体内で魔力を動かすのとは違って、魔力を放出て具現化した物を操作するのはとても難しいの。それでも徐々に複雑な動きになるのが、目に見えて魔力操作の進歩がハッキリと判るので楽しいんだよね♪
私の練習を見ているミスティーク先生は、少し複雑な表情をしながら頭を『ポリポリ』と掻く。
「何と言うかぁ……嬢ちゃんは、あたいが数十年掛けて身に着けた事を、軽々と出来るようになるのは少し嫉妬するねぇ(汗)」
「それは、先生の教え方が良いからですよ(笑)」
「あたいはねぇ、過去に魔力に長けたエルフの弟子を取った事があったけどねぇ、魔法で魔力放出して具現化した物を操作を出来たのは1人だけだったよぉ。その子もそこまで複雑には動かせなかったねぇ。嬢ちゃんはそれ程に凄いんだ自信を持つんだねぇ。うん、そろそろ嬢ちゃんに攻撃魔法の練習を行っても良いかも知れないねぇ」
ミスティーク先生が、これまでの魔力操作の練習から攻撃魔法の練習を始めると言ったの。攻撃魔法の練習と言えば魔物を倒す実戦なのかと思った。
「攻撃魔法の練習って、魔法を撃って魔物を討伐するって事なんですか?」
「あぁ、そうなるねぇ~、嬢ちゃんのパーティーに加わって、魔物討伐のクエストで練習でもしようかと思ってるんだよぉ」
「わぁ♪先生と一緒に魔物討伐なんて凄く楽しみですよ♪」
「そうかい、嬢ちゃんのママと話をしないとねぇ」
午前中の魔法練習から家に戻ると、ママとミスティーク先生が攻撃魔法の練習の事で話し合ったの。そしてママは私の意思を確認をする。
「セレンは攻撃魔法の練習をしたいの?」
「うん、ミスティーク先生と一緒に魔法について色々と学びたいの!」
「判ったわ。ミスティーク先生、セレンの事をよろしくお願いします」
「任せておくれぇ」
こうして、ミスティーク先生が私のパーティー【希望の光】へと加わって、魔物討伐のクエストで攻撃魔法の練習をする事になったの。
当然、ガイさんも魔物討伐のクエストへ一緒に行くので、この事を教えるととても嬉しそうにしていたの。だって冒険者だもんね!魔物討伐を生業にしたいと思うよね!
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