第28話 事後処理
クリチェート町に残って居た【影】の部隊が、クリチェート町に【闇】が居たという痕跡を全く残さないように処理をする。
おそらく【闇】の者達はクリチェート町へと向かう前に王家へ報告をしてるだろう、クリチェート町への道中で魔物に襲撃されて全滅したように見せ掛ける細工をしたのだが、調べれば見破られる筈だが多少の時間稼ぎにはなるだろう。
ダレンの亡骸は姉であるアンナマリーへと届けると、泣き崩れるアンナマリーに語り掛ける。
「お前達がカルメン嬢様を追い続けなければ、このような結果には成らなかった筈だ。恐らくだがお前は【闇】に追われる事になるだろう。もし、捕らえられればダレンと同じように拷問され、吐かなければ精神魔法を掛けられるだろう」
アンナマリーが泣き崩れていようと、【影】として姉弟が招いた最悪の結果は自業自得だと伝える。
そして、この先は【闇】の追っ手に追われ続ける身になる事を伝えたのだ。
「自業自得か……確かにそうだな。それで、私は人知れずにこの身を隠せばよいのか?」
「お前は馬鹿か笑わせるなよ。お前如きが【闇】の追っ手から逃げ切れると思ってるのか?」
考えの甘いアンナマリーは【闇】から見を隠せると思っているようだった。ここまで馬鹿だからカルメンお嬢様に近付こうとしたのだろう……
「では、私の痕跡をなに1つ残さずに消すという事なのか?」
「それが正解なのだろうが、お前を保護してカルメンお嬢様の元へ連れて行き処遇を決めて頂く。我等の独断でお前を処分する事は出来ないからな」
「私をカルメンお嬢様の元へ?」
「あくまでこれは選択肢だ。カルメンお嬢様と影長の判断次第では消えてもらう事になるからな、お前は我等に着いてくる覚悟はあるか?」
「勿論、着いて行くさ。カルメンお嬢様の判断で死ねと言われれば、私は喜んで死を受け入れる」
「そうか、では夜半に出発するぞ」
クリチェート町に【影】を1人残して、アンナマリーと【影】の部隊はクリチェート町を去って、主カルメンの住むカヴィア町へと向かったのだった。
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