第2話 自己紹介


「皆、今日から桜緑花おうりょくか高校の生徒だね。このクラスで1年過ごしてもらう。私は、1-4クラスの担任をする花町餡子。よろしくねー」


『よろしくお願いします』



 私達は、教室に入って、しばらくしたら、担任の先生が入ってきて、クラスの自己紹介が始まった。


 そして、ハンカチを拾ってくれた男子の自己紹介が始まった。


「小西賢です。出身校は、長野県の公立中学校で、趣味は、まぁ、特にないです。よろしくお願いします」


 パチパチ


「ありがとう。じゃあ次は、出席番号27番」



 餡子先生は、ちょっと変わった方法で自己紹介をはじめた。その方法がくじ引きだ。これなら、最後の出席番号の人が最後に発表をする事が避けられる。


 そして、出席番号27番は、私だ。私は、元気よく返事をして席を立つ。



「私の名前は、藤堂花澄です!出身校は、愛媛の公立中学校で、趣味は、手芸、絵を描く事、買い物で、好きな食べ物は、オムレツで、苦手な食べ物は、トマトで、身長は156cmです!それから、私は花澄って呼んでくれたら嬉しいです!それからそれから」


「藤堂さん、その辺で」


「はっ!すみませんでした!これからよろしくお願いします!」


 パチパチパチパチ


「じゃあ、次は、出席番号2番」


「はい。有村鈴です。出身校は、広島の中学校です。趣味は、スポーツをする事で、最近ハマっているのはバレーボールです。よろしくお願いします」


 パチパチパチパチパチパチパチパチ


「ありがとう。じゃあ次は……」



 こうして、1人1人当たっていき、最後の1人になった。



「えぇ……。俺が最後なのぉ?」


「名前と出身校と趣味を頼むぞ」


「わーったよ。俺の名前は、北村快晴。出身校は、北海道の公立中学校。趣味は、辛い食べ物の食べ歩きだな」


 パチパチパチパチ


「じゃあ、全員自己紹介が終わった所で、明日は、入学式だからな。この後は、帰るでもこの学校を探索するでもいい。自由に過ごしてくれ。ただし、学校にいれるのは15時までだからな」


『はーい』


「じゃあ、解散」



 私は、クラスの色々な人に話しかけたかった。まぁ、初日なので自重をした。その時の光景は、鈴ちゃんから後で、『餌がもらえなかった時の猫』らしい。


 代わりに、鈴ちゃんと色々話をした。そしたら、1番最後に自己紹介をした、北村君がやってきた。



「あのー、藤堂、どうしたら、お前みたいに堂々発表できるんだ?」


「えっと、快晴くんだったよね。うーん、話すのが好きかそうでないかの違いだと思うよ」


「なるほどな。あんがとよ」


「……あいつ、態度悪くない?」


「いやー、素なんじゃない?あれも個性の1つだよ」



 快晴くんは、私に話しかけてくれた。けど、自重して、話しすぎないようにした。明日の入学式が楽しみだ。

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