賢くんの敬語を外したい花澄ちゃん

月桜 兎

第1話 最初の登校日


 私の名前は、藤堂花澄。みんなからよく、「コミュ力お化け」と、呼ばれている。でも、そんな私も、高校1年生。校門の前に緊張しながら立つと、見しった顔がいた。



りんちゃん、久しぶり!元気にしていた?」


「花澄?こんな偶然あるんだね」



 彼女の名前は有村鈴。鈴と書いてりんと読む。と言うのは、昔彼女から教わった。


 私達は、小学校からの付き合いで、中学校では別々の所に行った。まさか、再開するとは思わなかった。



「中学校で何していたの?中学で入っていた部活は?ちょっと痩せたんじゃない?良かったね!あ、病気的な物だったりじゃないよね?」


「おおう……。相変わらずのマシンガントーク、いや、空爆トークかますね。順番に答えるから待ってよ」


「だって、対応してくれるのが鈴ちゃんぐらいしかいないんだもん。他の人に言うと、『お節介!』って言われるし……」


「そりゃ、そうでしょ。あんたのトークについていける人の方が珍しいわ」


「うーん、そんなもんかなぁ。おばあちゃんなんか、私より人を惹きつける才能あるよ」


「あー、そういえば、花澄のおばあちゃんパワフルだったな」



 私は、鈴ちゃんにたくさん話しかける。でも、普段はこんな事聞かない。久しぶりに再開したのが、鈴ちゃんで良かった。


 鈴ちゃんは、私に今まであった事をたくさん教えてくれた。やっぱり、鈴ちゃんと同じクラスになりたいなぁ。


 そして、私達は学校に入って、クラス分けの紙をもらった。



「ドキドキするね」


「そうだね」



 私達は、クラス分けの紙を同時に見た。そしたら、私達は一緒のクラスだった。



「良かった〜。鈴ちゃんと同じクラスだ〜」


「……ちょっと、入学式もう少し先よ?泣くには、早いんじゃないの?」


「ごめんごめん、安心しちゃって。鈴ちゃんは一緒のクラス嫌だったの?」


「そんな事ないわよ。花澄がいると嬉しい……いや、知り合いがいると安心するだけよ!そこ履き違えないでね!」


「そっかぁ。でも、私は鈴ちゃんと一緒のクラスで、嬉しい!これからもよろしく!」


「すぐ、抱きつこうとしない!ここは、人多いんだから、他の人の迷惑でしょーが!」


「はーい」



 私達は同じクラスだった。その後、クラスに向かう事になった。



「あの、ハンカチ落とされましたよ」


「え?ああ、すみません。ありがとうございます!」



 私はどうやらハンカチを落としたらしく、拾ってもらった。しかし、私的に気になったのは、敬語だった。


 今日は、1年生だけ集まっている。逆に同学年と先生だけしか集まっていない。


 まぁ、そんな人もいるんだろうけど、私的には敬語を外したいと思った。


 とりあえず、教室に向かうと、さっきのハンカチを拾った男子と一緒に向かっていた。この先のクラスなのかな?


 そう思っていたら、何と一緒のクラスだった。それが、小西賢、いや賢くんとの出会いだった。

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