第41話 ゲームセンター

放課後になり、ショッピングモールへ向かう。

ショッピングモールにあるゲームセンターに向かうと急に周りの機械音が大きくなった。クレーンゲーム、よく見る太鼓の音ゲー、アイドルゲーム、3歳ぐらいの子供に人気の乗り物とかもある。


「可愛いぬいぐるみ〜、こっちのお菓子デカっ!」


涼風は着くとすぐに目を輝かせて子供のように周りを見回している。


「とりあえず、両替だ〜」


両替機に1000円札を入れると、100円玉が10枚音を立てて出てくる。


「この音、爽快だ〜」

「両替なんて日常茶飯事だから、そんな感想が出るなんて」


2人でゲーセン内を見回る。すると、とあるフィギュアの前で止まる。


「こ、これは」

「あ、この前アニメ化したラノベのフィギュアだ」


涼風はすぐに100円玉を入れてる。陽気な音楽を奏でて始まる。


「ねぇ波原、これどうやってやるの」

「見切り発車すぎるだろ」


二つの突っ張り棒の上にフィギュアが置かれている。


「アームの強さによるけどバランスキャッチしてもいいし、普通にいくなら、手前か奥を少しずつずらしていって落とす感じかな」

「わかった〜。波原手本見せて」

「・・・了解」


ボタンに手を添えアームを動かす。フィギュアの箱ギリギリにアームを置く。アームが閉まる力を使用してフィギュアが動き斜めになる。


「とりあえずこんな感じかな」

「すご〜、アームフィギュアのギリギリじゃん」

「よく、やるんで」


次に涼風が挑戦する。アーム本体がフィギュアの上になり、フィギュアが動く事なく終わってしまう。


「う〜ん難しいな〜」

「アームの開く大きさを覚えてそれに合わせるといいよ」

「クレーンゲームは奥が深いな〜」


その後も挑戦して、800ぐらいでフィギュアの手前が突っ張り棒の手前に落ちて、後一歩という状態になる。


「お!この形はいいんじゃない?」

「そうだね、後少しで取れるよ。けど、手前に入れるのが難しくなるよ」

「本当だ手前の幅が狭い」

「ファイト〜」


その後は苦戦して、更に1000円が溶ける。しかし後一歩と言うところまで来ることができた。


「後少し、後少し」

「後は、フィギュア箱の上を押すだけでいけると思うよ」

「マジ?それなら簡単」


アームが降りる力を利用してフィギュアを押す。波原の言った通り、押された反動でフィギュアが落下する。ゲーセン中に獲得音が響き渡る。


「やった〜!取れた取れた!」

「おめでとう」


店員がすぐに駆け寄ってきて袋を貰う。


「僕も欲しいな、取ろかな」

「え、そんな軽く?」

「まぁ、涼風の見た感じ簡単そうだし」


波原はお金を入れる。2回目でフィギュアがほとんど斜めになり、5回目には突っ張り棒の手前にフィギュアが入り、8回目にはフィギュアが落下している。


「お、取れた」

「早すぎじゃない?美味すぎでしょ」

「よくやってるんで」


波原も店員から袋を受け取る。


「他のも取る?」

「そうだね〜。あ!あのぬいぐるみ取りたいかも」


少し大きめの機体の中に猫のぬいぐるみが入っている。大きなアームが3つついている。


「これ、やってもいいけどこれは実力より運よりだね」

「へぇ〜」

「簡単に言うと、アームが弱すぎて景品が取れない。けど一定金額入れるとアームが強くなって取れる仕組み」

「なるほど、私より前がどれだけやってるかによるって事か」

「そう言う事」

「因みに一定額ってどんなもん?」

「基本3000円は超えるかな」


涼風は顎に手を当てて悩んでいる。運が良ければ安く取れるが、誰もしていなかった場合3000円以上飛ぶと考えたら悩んでしまう。


「流石にやめときます!」

「うん、マジで偉い決断。僕は何回もこれで破算した」


再びゲーセンを歩く。すると、ホッケーを見つけた。


「私これやりたい!」

「ホッケーか、僕もやった事ないな」

「え?まさかの初めて?」

「ゲームのNPCとなら戦った事あるよ」


お金を投入して早速ホッケーを始める。マレットを握り、パックを弾く。横に壁を使い蛇のように角度をつけて相手の隙を狙う。思ったよりパックは早く追いつくのが大変になる。


「あれ〜、波原危ない所目立つよ〜」

「初めてだから、手加減ぐらいして」

「え〜、どうしよっかな〜」


そう言いながらパックが飛んでくる。波原は、今まで壁を使った側面の攻撃が多かったので意識がそっちに寄ってしまっている。その結果不意に飛んできたストレートのパックに反応できず、ゴールに入る。


「よし、まずは一点!」

「うわ〜、やらかした」


すぐに、新しいパックが飛び出てくる。波原の方へ飛んできた為、すぐに打ち返して涼風のゴールを狙う。涼風はゴールしてすぐの為油断していて反応できずにゴールに入る。


「よしっ」

「え〜ずるいずるい。油断を狙うなんて」

「ゲームは真剣にしてなんぼだよ」

「う〜〜。もう手加減なんてしないから!!」


そのままタイムアップになり、結果5-4で涼風の勝ちになった。


「勝った勝った〜」

「しんどい、ホッケーって結構疲れるんだ」


涼風は両手をあげて喜んでいる。


「ねぇもう一回しよ」

「この状況でよく言うね。僕ぶっ倒れるよ」

「まぁそうか、なら一旦休憩しよっか

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