第8話 告白 

 冬休み明けは最後の追い込み。

わからない所を教え合いながら、試験本番を迎えた。

試験は県内でも随一の私立の進学校だけあって、難しかったが大部分は勉強したところが出題された。

これならば夕も大丈夫と思うけど、結果が出るまでは安心できない。


「んー、試験終わったね~」

「まだ結果は出てないからわからないわよ」

「大丈夫だよ~、合格できるよ~。温海ちゃんと勉強したし~」

「そうよね、私と一緒に勉強したから大丈夫よ」


 試験を終え駅へ向かいながら話をする。

私も手ごたえがあって、合格は出来ると思うけど、夕もわからない所を集中して模試でも合格可であったから、大丈夫。

とはいえ、結果が出るまで安心できない。


「そういえば、温海ちゃんは5月からツインテールだよね~」


5月のお祭以来、髪型はずっとツインテールにしているがなんかこの方が私らしいって思った。


「なんかこの方がいいって思ったからよ」

「でも、ツインテールの方がキャラがってるよね~。あと、私じゃなくてあたしって言ったらキャラがもっと立つかも~」

「お嬢さま、百合、ツインテールな時点で十分キャラが立ってるでしょ」

「ここまできたら、1つぐらい追加しても同じだよ~。試しに言ってみて~」

「わかったわ・・・でも、どんな感じに言えばいいかわからないわ」

「ん~、いざ言われるとわからないね~」

「夕もわかってないじゃない」


私達は笑う合うけど、私だと確かに堅苦しいかな。


「夕はあたしの事どう思ってる?」


ちょっと試す感じで言ってみたが


「もちろん好きだよ~。早く告白されて恋人になりたいな・・・」


って言われて、私は顔が真っ赤になる。


「な、な、何言ってるのよ、往来で。いつもの冗談だよね?」

「本音を言っただけだよ~」


珍しく夕が真面目な目をしてるが、これは本当なんだろう。

お母さんにも私からの告白を待っているって言ってけど、実は外堀が埋められてる?

でも、私から夕に告白しようとは思ってる。

私、高校に合格したら夕に告白するんだ・・・ってこれじゃ死亡フラグじゃない!

もっとも、戦場へ行く訳じゃないから死ぬ事は無いと思うけど、今時だったら

合格後に事故にあうか、通り魔に襲われて死んで異世界転生したりするのかな?

いや、流石にそれもないけど、したら超展開だよね・・・。


「温海ちゃんどうしたの?」

「いや、ちょっとバカな事考えてた自分に呆れてるだけよ」

「よくわからないけど~受験が終わったから、ゆっくりしようね~」

「そうね」


合格発表まで時間があるけど、試験が終わったら学校も行く日数が減から

今まで根を詰めてた分、少しゆっくりしよう。



ーそして、合格発表


「なんか見るの怖いよ~」


郵送で結果が送られてきたが、夕はまだ見てない。

夕は自信があると言ってたけど、いざになったら結果を見るを怖がって封筒をもってうちへ来た。

ちなみに、私は既に合格を確認してる。


「あたしは合格してたわよ」

「だから余計に怖いよ~。わたしだけ合格してなかったら困るよ~」

「見ないならあたしが見るわよ」

「うん、温海ちゃんが見て~」


 仕方がないので、あたしが封を開け見るが・・・ちゃんと合格していた。


「夕、合格してたわよ」

「ほ、本当?」

「本当だって、見なさい」

「うん・・・本当だ、合格してるよ~」


夕が喜んで抱きつくが、もちろんおっぱいが当たる。

こんな時に、こんな事考えるのもどうかと思うけどめでたい時だからいいよね?


「ちょっと、夕、抱きつかないでよ」

「ごめんね、つい癖で。でも、嬉しいからいいよね」


といって、また抱きつくけど、今日ばかりはいいか。


「これで一緒の学校に行けるね~、一緒に勉強してよかったよ~」

「そうよね。でも、入学して勉強についてこれなかったら意味ないわ」

「わかってるよ~。でも、温海ちゃんと一緒なら大丈夫だよ~」

「そうよね、夕なら大丈夫」


夕は元々は特別進学クラスに入れない成績だったけど、1人で頑張ってクラスに入り

さらにクラス最下位から、クラス3位にまでなったんだから。


「これでひとまず安心だね~」

「そうね、入学まではゆっくり出来るわ」

「春休みはどうすしよう~」

「あえて何もしないで、のんびりするのもいいかも」

「それもいいかもね~」


今までずっと勉強してたから、逆に何もしないでゆっくりしてもいいかも。


「そういえば、温海ちゃんはわたしの前だと、あたしっていうようになったよね~」


試験後、私は一人称が「あたし」になっていたが、なんかこっちの方が自然な感じしたからだ。

ただ、家では相変わらず「私」だけど、夕の前だと自然とあたしになる。


「なんか、こっちの方がいいかなって思ったけど、夕の前だけだわ」

「そうか~、なんか特別な感じがするね~」

「だって、夕は特別だからね」

「ありがとね~」


夕はお礼を言うが、恥ずかしい台詞と後から気付いて顔が赤くなった。

でも、夕が特別なのは確か。

本当はこの場で告白をしても良かったけど、告白するのは・・・卒業式の日と決めていた。


―そして卒業式の日



 卒業式が終わって、皆との別れ。

正直、クラスの事は最低限の事しか話してないが、いざ卒業になると皆私と夕に話しかけてきて正直、戸惑った。

実はあたし達はクラスの中では一目置かれていたらしいが、成績がいい意味味と百合的な意味でらしい。

実は皆、百合の間に挟まる訳にはいけいから遠くから見てただだけであった。

もちろん、直接的にこんなこと言ってないが、あたしと夕の間はいい雰囲気で近づけないかったという事。

最後の挨拶して、みんあ教室を去って行ったが夕と教室を出ようとしたら中里さんが声をかけてきた。

ちなみに、中里さんはクラス2位、つまり学年2位であった。

私に話したい事があるらしいので、夕には廊下に待ってもらう事にした。


「大牧さん、これから飯塚さんに告白するんでしょ?」

「な、なんでそれを・・・」

「だって、ずっと飯塚さんを見ながらそわそわしてるから、皆、気づいてよ」


そういって、中里さんは笑うけど、皆にわかるぐらい態度に出てたの?


「みんな本当は2人の事気なってけど、あまりのもいい雰囲気だったからずっと見守てたよ」

「そ、それはさっき聞いたわ」

「皆、応援してるからがんばってね。飯塚さんを待たせるといけないから、わたしはこれで行くわね。がんばってね、大牧さん」

「うん、ありがとう」


中里さんに背中を押されたから、頑張って告白しないとね。


「夕、お待たせ」

「中里さんと何か話してたけど~なんだったのかな~」

「最後にちょっとあいさつをしただけだわ」

「そうか~」

「ところで夕、ちょっと人がない所へ行こうか・・・」

「うん・・・」


これで夕も何か察してたてる。

校舎の裏側で夕と2人になる。

いざ告白するとなると緊張するけど、お姉ちゃんと夕のご両親を待たせてるから早く済ませたい。


「夕・・・いえ、飯塚夕さん、私ははあなたの事が好き、これからも一緒に居たいから・・・恋人のなってください!」


わたしが告白すると、一瞬沈黙が流れた。

その沈黙は実際には数秒だあったが、私にはとても長く感じた。


「はい、わたしは大牧温海の恋人になります」


夕の返事が聞こえたが、これで私と夕と恋人になったんだ。


「夕、ありがとね」


何時もは夕が抱きつくが、今日は私が抱き着く。


「温海ちゃんから抱き着くなんて、珍しいね~」

「それだけ夕と恋人になれた事がうれしのよ」

「そうだね~わたしもうれしいよ。そうだ、恋人になったからちゃんとしたキスをしようよ~」

「キ、キス!?」


私は赤くなるが、夏休みに部屋でしたキスは雰囲気がなかったから、恋人になった証としてキスしてもいいかな…。


「それじゃ、しようか」

「うん・・・」


私と夕は身長差があるから、夕は少しかがんで、私は少し背伸びする。

そして、お互いの顔が近づくと、自然と唇が触れていた。

周りには人がいない事は確かめているが。もしかしたら誰かに見られるかもしれない。

でも、いいんだ、夕と恋人になったから見せつけてやるんだって勝手に思いながら長いキスをした。


「両親が待ってるから、そろそろ行こうか」

「そうだね、お姉ちゃんも待ってるし」


私と夕はお互いの手を握り、待っているお姉ちゃんと夕の両親の元へ向かった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る