第2‐3話 5月4日その3

 夕の意外な所が知れたけど、夕は私がラブコメとか百合作品を読んでいる事は気にしていなかった。

むしろ

「夕ちゃんっておっぱい好きだから、読んでない方がおかしいよね~」

っと言われてしまった。

 確かにおっぱいは好きだし、今も目の前にもあるからついつい目が言っちゃうけど

中3でこの大きさのおっぱいがあったら、女の子でも気になるって。

学校でも男の子はもちろん、女の子も夕のおっぱいの話をしてるのが聞こえてくる。

ただ、おっぱいが大きいといじめというか、からかわれる事もあるから夕はどう思っているのかな。


「夕っておっぱいの事言われるの気にしてるの?」

「気にしてないって言ったら嘘になるかな~。ただ、大きくなったのここ1年だから、他のおっぱい大きな子よりはからかわれないかな~」


え、1年でこんなに大きくなったの?

ということは、1年前まではぺったんまではいかなくても、小さかったって事?


「ほ、本当なの!?」

「うん、1年前は温海ちゃんよりはちょっと大きかったけど、それでもぺったんだったよ~。

急に大きくなったから痛いし、すごく張って眠れないぐらいだったけどね~」


 ということは、夕ほどではなくてもまだチャンスありかな?

お姉ちゃんも中3の頃はBあるかないかぐらいだったけど、高1ぐらいから大きくなり

はじめて高3でEカップになったしね。

よし、私も諦めないでおこう。


「でも、大きいっていい事ないよ~。肩はこるし、真下がちょっと見にくいし。男子女子関係なくじろじろ見られるし~」


 巨乳あるあるだけど、Eカップだと片方500g、両方で1㎏あるというから肩がこるよね。

性別関係なく見られるのは確かに気になるし、夕の場合中学の制服を着てるから余計みられるよね。

でも、持たざる者からしたら、やっぱり羨ましい。

特に家族で1人だけぺったんだと、余計にね。


「私からしたらやっぱり羨ましいよ」

「そうかな~。温海ちゃんはぺったんだからいいと思うよ~。それに、温海ちゃんなら触ってもいいし、挟んであげてもいいし、乗せてあげてもいいよ~」


 乗せるのは頭の上に乗せるって意味だけど、私は挟むというか顔をうずめるのが好きだから。

夕がいいよって言うので迷わずおっぱいに顔をうずめた。


「もう、温海ちゃんは甘えん坊なんだから~。本当は私が甘えたいよ~」

「おっぱいに挟んでいあげるって言ったのは夕だし」

「そうだけど、本当にやるとは思わなかったよ~」

「誘われたから実際にやるわよ」

「温海ちゃんのこういう所が、わたし好きだよ・・・」


 夕が何時もみたくほんわかした話し方から、シリアスな口調になる。

もしかして、これは夕が私を好きになった理由を聞くチャンスかな。


「ねえ、夕はなんで私を好きになったの?」

「理由を知りたいの?」

「うん。だって夕とは新学期初日が初対面だったから、どこで知ったのかなって」

「わかった、話すね~。温海ちゃんは中1から知ってるよ~、何かと有名だったし~。初めて見たのも中1の時、廊下や温海ちゃんの教室をのぞきにいったりしたよ~」


 私はこの地域の経済を動かしてる会社の娘で、小学校の頃から知られていたから

夕が知っててもおかしくないか。

教室まで見に来たって言うけど、夕だけではなくて中学に入った時は皆見に来た。

ただ、実際に見たらがっかりしてたというか、イメージと違ったらしい…。

まったく、皆、創作のイメージが強すぎるのよ。

それに、中1なんてちょっと前まで小学生った訳だし。

高1ならまだわかるかもしれないけど、中1なんてまだまだ子供だって。


「見た時イメージと違ってたでしょ?」

「正直言うと、違ってたよ~。でも、わたしはみんなと変わらなくて良かった思ったけど、話しかける勇気はなかったよ~」


 夕でも初めは話しかける勇気はなかったそうで、1年生の時は時々廊下で見かけて見ているぐらいだったそうだ。

2年生の時は体育で一緒になった事があったけど、正直覚えてない。

夕が言うには「まだおっぱい大きくなかったから」って言ってたけど、これじゃ私がおっぱいで判別してるみたいじゃない。

いや、全くの間違いでもないけど、ちゃんと人となりをみてるからね。


 夕も何度も話しかけるか悩んだそうだけど、そこで起きたのが去年の事件。

あれがきっかけで今の状況なんだけど、あれがきっかけで夕は自分と同じなんだって思ったそうだ。

ただ、周りの目もあって私に近づく事が出来なかった。

そこで夕はどうしたら私と一緒になれるか、幼馴染の子に相談したら

「大牧さんは成績がトップクラスだから、3年生は特別進学クラスに行くのは間違いないので夕もいけばいいよ」

って言われて成績が良くなかったけどそこから一念発起して、勉強して今に至ったそうだ。


「つまり、夕はあの事がきっかけで私が好きになったって事?」

「実はよくわからないけど、きっとそうかな。だって、女の子が好きってはっきり言えたんだからすごいよ~。わたしも女の子が好きだけど、親と幼馴染しか話してないし」

 「いやいや、告白して振られたから周りばれた訳で、あれがあるまで周りはもちろん親にも黙ってたわ」

「え、そなんだ~。わたしは小さい頃から女の子が好きでお嫁さんが欲しいっていってたよ~。だから中学に入ってすぐ、女の子が恋愛対象って言ったら家族もすぐ受け入れてくれたよ~」


 夕はすごいな、自分から親にカミングアウトしてるなんて。

さらに家族も受け入れてくれてるなんて。

私も結果的に家族にばれたけど、本心はわからないけど家族は受けれてくれてはいる。

ただ、いじめを押さえたのはどちらかと言うと、会社に影響するからだったけど

それがなかったらもっと酷かったかもしれないから、親の力を使うのは嫌だけど仕方がないと思っている。


「でも、流石に他の子達に話させなかったよ~。幼馴染の子も口は堅いし~。でも、温海ちゃんと一緒に居たいから思ったら、勉強もがんばれたよ~」

「そうなんだ、ありがとうね、夕」


 わたしは思わず泣きそうになったけど、夕はそれを見て抱きしめて来た。


「温海ちゃん、泣いちゃダメだよ~」

「まだ泣いてないわよ」

「まだって事は泣くって事だよね~」

「そうだけど、夕のお陰で泣かないですんだわ」

「でしょ~、おっぱいは何でも解決するんだよ~」


 夕はこんな事言うけど…全くの間違いでないから反論できない。

いや、おっぱいじゃなくて夕のお陰なんだけど、夕のおっぱいで落ちつたのも間違じゃないし…ってこれじゃやっぱりおっぱいで安心したみたいじゃない!

けど、夕に抱きついてるの好き。


「夕、ありがとね」

「別にいよ~」


私は夕に抱きつたままでいたら、夕のお腹がなったけどお昼の時間は過ぎていた。


「夕、おなかすいでしょ、ご飯作るから食べてる?」

「うん、おなかすいたからたべたいな~」

「ご飯はお姉ちゃんが用意したのがあるからそれを食べよう」

「うん、ありがとうね」


 2階の私の部屋から1階のリビングに降りてお姉ちゃんが用意してくれたご飯を食べる。

友達がくると言ったら、夕の分も作ってくれた。

私も料理は出来るけど、今日はお姉ちゃんが用意してくれた。

本当は私が自分で作って夕に食べてもらいたかったけど、また今度かな。

夕はお姉ちゃんが作った料理をおいしいって言ってくれたけど


「温海ちゃんの料理も食べたにな~。ついでに温海ちゃんも食べたいな~」


って言ってたけど、これってそういう意味なんだろうか。

夕って時々、こういう事を言うけど恥ずかしくないのかな?

私は性的な事に全く興味ない訳ではないけど、口に出すのは無理。

現に今だって夕の言葉を聞いて耳まで赤くなってるし。

一応「何言ってるの」って返しておいたけど。


 さっき部屋でちょっといい雰囲気なってたけど、あのままキスしてもおかしくなかったかな?

でも、キスなんていまの私には無理、無理、無理。

おっぱいはほら、服の上からだし、夕が抱きつてきてるからね。

でも、夕なら唇もやっぱり柔らかにかなって私は何を考えてるの!

まったく、夕が変な事言うから色々考えちゃったな。


「機会があったら作ってあげるわよ。こう見えても料理は得意だから」

「そうなんだ~。わたし、料理とか家事とか苦手だから~」

「私は両親が忙しいから、小さい頃からお姉ちゃんと一緒にやってたわ」

「そうなんだ~。温海ちゃんはいいお嫁さんになれるよ~」

「あ、ありがとうね」


 私はお嫁さんになれると言われて、また顔が赤くなったけど夕と結婚したら

私がご飯作ってあげて、夕の面倒を見てあげてもいいかもって女の子同士は結婚できないでしょ!

でも、夕となら結婚できなくてもずっといてもいいと洗い物しながら私は考えたのであった。

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