連休の過ごし方

第2‐1話 5月4日その1   

4月の終わりの連休になるちょっと前、わたしは教室で夕に声をかけらた。


「温海ちゃん、連休はどうするの?」

「連休は特にないわよ。高校進学のため家で勉強だわ」

「そうなんだ。それじゃ~わたしとお出かけしようよ~」

「は?家で勉強って言ってるでしょ?」

「1日ぐら出かけようよ~。そうだ、神社のお祭でお馬さん見に行こうよ」


 地元は5月の連休に流鏑馬祭が行われるが、夕はその祭に行こうという。

本音は行ってもいいけど、私が置かれている状況を考えると学校とお互いの家以外は

一緒に居る姿を見られたくない。

ただ、夕は

「わたしは他の人の目なんて気にしてないよ~。温海ちゃんしか見てないし~一緒に居たいし~」

って言ってたけど、これって実は恥ずかしい事言ってない?

いまの私の立場を考えると、一緒に居てくれるだけで素直にもうれしい。

私は心配性だけど自分よりも夕の方が心配になる。

ただ、何度も同じ事を言ってるので、夕から誘ってきたし一緒に居たいとも言ってるから一緒にお祭に行く事にした。


「お祭には行くわよ。ただ、私からもお願いも聞いて欲しいかも」

「温海ちゃんのお願いなら何でも聞くよ~?」


え、なんでもって本当?

でも、いざ何でもって言わると悩むけど・・・そうだ、まだ家に来ていないから家へ来てもらえばいいんだ。


「そうね、うちへ来ない?」

「もちろんいくよ~。温海ちゃんのご両親にご挨拶しないとね」

「親は連休でも仕事だからいないかもだけど」

「その時はその時だよ、温海ちゃんの家に行けるだけで充分だから~」


 私はドキドキしながら聞いてみたけど、夕が断る事はないか。

でも、家に来ないかと言ってみたものの、これっておうちデートっていうのかな?

いや、家で一緒に勉強・・・って勉強しにって言ってなかった。


「ありがとう、夕。あ、家では勉強しにだからね」

「え~せっかく温海ちゃんの家に行くんだから~勉強以外がいいな~」

「うちに来ても他にする事はないわよ。ゲームはしないし、ネットも勉強の為にしか使ってないし。漫画とラノベは少しあるかな」

「そうか~。でも、温海ちゃんのお部屋に行ければいいかも~」

「それじゃ、待ってるわ」


  予定はお祭が5月4~6日で本番は5日だから4日に部屋に呼んで、5日に祭に行く事になったのであった。



  ―そして5月4日


 学校が休みでもいつも通りの時間に起きる私だけど、今日は楽しみであまり眠れなかった。

夕を迎えに行かないといけないけど、待ち合わせ場所は駅前。

駅前で歩いて15分程度だけど、待ち合わせ時間は10時。

今は

部屋の片づけは前日に終えてるけど、見られて困るものはないはずだけど念のため何回も確かめる。

 エッチな物は無いけど。黒歴史になるものがいくつかある。

黒歴史というのは、自分で書いた百合小説とかポエムとかだったり。

百合小説はまだいいけど、ポエムは黒歴史というか現在進行形だから見せられない。


「そろそろ出かける準備をしないと」


 どんな服を着ていくか悩むけど、今日は天気が良くて暑いぐらいだけど

時間がないからいつもみたく薄手の長袖カットソーに短めのスカートでいいか。

支度をしながら姿見を見るけど、私はちょっと目じりが上がっててるけど

漫画のツンデレキャラってこんな感じのキャラが多い気がする。

わたしが読んでいる漫画やラノベはお兄ちゃんが達が読んでたのを

自分の部屋にも持ってきた物だからちょっと古め。


 兄ちゃんたちは年が離れていて、会社を継ぐために既に家を出ている。

お姉ちゃんは大学生1年生だけど、実家から通える学校なので家にいる。

ただ、お姉ちゃんはバイトでわたしより早く出かけた。

両親は休みでも海外の仕事があるので、家にいない。

だから家には私だけになるけど、ラブコメとかだとこういう時は・・・いやいや、今日は勉強するために来るんだから。

というか、いい雰囲気なると家族が帰ってくるってパターンが多いし。


 色々考えながら支度してるけど、そろそろ行かないと。

戸締りを確認して、駅前へ向かう。

同じ学校の子に合うかもしれないけど、どうせ向こうも無視するから気にしない。

時間はまだあるけど、ちょっと早めに行って待っておこうってこれじゃデート見たい。

今日は二人きりで、お姉ちゃんは夜まで帰ってこないって事はやっぱりおうちデートになるかなって

家に来て勉強するだけでデートじゃないからっとわたしは何度も自分い言い聞かせた。

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