らくがき王
そうざ
King of Graffiti
僕がいつものように道に落描きをしていると、知らないオジサンが、遊びに行こうと言って来た。僕は大魔王を描くのに忙しかったので断った。
同じ団地に住んでいるヤスとタクとヒロがやって来て、水鉄砲で大魔王を攻撃し始めた。僕は、やめろよと言ったけど、三人はそのまま攻撃を続けた。
僕は、三人とも大魔王にやっつけられちゃえば良いんだ、と心で叫びながら大魔王を描き続けた。
何日か経ってまた落描きをしていると、タクとヒロが水の入ったバケツを持って来て大魔王にぶっ掛けた。二人は大声で笑った。
仕方ないので、僕は濡れていない所にまた大魔王を描いた。でも、何度も水を汲んで来てぶっ掛けた。
僕は、二人とも大魔王にやっつけられちゃえば良いんだ、と心で叫びながら大魔王を描き続けた。
また何日か経って、いつものように大魔王を描いていると、ヒロがやって来て、落描きなんかやめろと言った。
僕が無視していると、ヒロは僕の手からチョークをぶん取った。僕は新しいチョークを取り出して大魔王を描き続けた。
ヒロは泣きそうな顔で駈けて行ってしまった。いつかのオジサンがまた付いて行くのが見えた。
その日はママが怖い顔をして、変なオジサンがうろついているから一人で遊んじゃ駄目と言った。でも、僕は落描きをしに行った。
少しして、かんかんになったママが僕を連れ戻しに来たので、僕は急いで逃げた。
近くの雑木林まで逃げ切った僕は、ママもやっつけられちゃえば良いんだ、と思った。
すると、いつかのオジサンが現れた。よく見ると、オジサンの頭に大魔王と同じ角があった。
オジサンが、一緒にやっつけに行こうと言うので、僕はオジサンと手を繋いだ。
らくがき王 そうざ @so-za
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