第7話 スキルを獲得
『レベルアップしました』
『強者との戦闘に勝利。承認。特別報酬をプレゼントします』
脳裏で鳴り響くレベルアップと追加報酬報告。
うるさいなあ、と思いながらもステータス画面を開いてみると、
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名前:ネファリアス・テラ・アリウム
性別:男性
年齢:15歳
ギフト:【システム】
Lv:17
HP:1800
MP:880
STR:30
VIT:15
AGI:11
INT:11
LUK:11
スキル:【硬化Lv5】
ステータスポイント:25
スキルポイント:48
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「……ん? スキル、——【硬化?】」
前にはなかった新たな表示を見つける。
「そう言えば……スキルっていうのあったなぁ……」
ステータスばかりに気をとられてすっかりその存在を忘れていた。むしろ価値でいえば、ステータス以上に大事だろうに。
……待てよ?
たしかスキルリストの中には、いま必要なスキルがあったはず……。
メニュー画面に戻して【スキルリスト】を選択。バッと大量のスキル名が眼前に表示される。
その中から、目当てのスキルを探す。
……あった!
急いでそのスキルを取得。おまけに強化までできるので、レベルを5まで上げてみた。
再び、ステータス画面に切り替える。すると、スキルリストには【硬化】とは別のもう一つのスキルが増えていた。
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名前:ネファリアス・テラ・アリウム
性別:男性
年齢:15歳
ギフト:【システム】
Lv:17
HP:1800
MP:880
STR:30
VIT:15
AGI:11
INT:11
LUK:11
スキル:【硬化Lv5】【治癒Lv5】
ステータスポイント:25
スキルポイント:33
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「お~! やっぱり増えてる! どれどれ……」
新たに入手したスキル【治癒】を発動する。
スキルの発動の仕方もシステムと同じだ。心の中でそれを念じれば、魔力——MPを消費して発動できる。
淡いミントグリーンの光が俺の体を包む。
次第に、全身を蝕む痛みや擦り傷などが消えていき、しかし光が収まってもなお、治っていないものはあった。
「……さすがにレベル5じゃ骨折までは治らないか……。クソいてぇ」
鎮痛効果はあったのか、さっきよりは痛みがマシになる。それでも普通に激痛だから困った。
「——ね、ネファリアス様? もう平気なのですか……?」
ずっと近くで俺の謎のやり取りを見ていた護衛の騎士が、すごく困ったような顔で尋ねる。
いっけね。すっかり忘れてた。【治癒】スキルを見られたが、まあ隠すほどのことでもないか。いずれバレてただろうし。
「なんとか平気だよ。腕は折られちゃったけど、意外と勝てるもんだね」
「なにが勝てるもんだね、ですか! ネファリアス様が殴られた瞬間、私は生きた心地がしませんでしたよ! 急いで加勢しようと思ったら、その前にオーガも倒しちゃうし……一体、どこまでお強いのですか、ネファリアス様は」
「どうだろ。少なくともいまはオーガより強くなったっぽいよ。次はもっと簡単に勝てるかな?」
オーガの頑丈さの理由も、恐らくスキル【硬化】によるもの。
レベルが上がってステータスポイントも増えたし、次は確実にもっと楽に倒せるはずだ。
あまりにも早く強くなる自分自身に、痛みを我慢しながらも体が震えた。
——そう。俺は勝てたのだ。本来、システムがなかった状態では勝てないであろう強敵に。
加えて、その強敵を倒したことでさらに強くなった。
——いける。
これで確信を持った。
命を懸けてレベルを上げていけば……いずれはすべてを救うことだってできると。
「ふふ……楽しみだ」
「え? なにが楽しみなんですか?」
立ち上がるのに肩を貸してくれる護衛の男性。独り言を聞かれちゃったなと思いながらも、俺は素直に答えることにした。
「いや……俺はどこまで強くなれるのかなって」
「……どうでしょうね。こんな調子で命を懸けてたら、いつかポックリ逝ってしまいますよ。気をつけてください」
「……はーい」
たしかのそのとおりだ。反省反省。でも、強くなるためなら多少の危険は冒すしかない。
それだけ、マリーたちを助けたいのだ。そして、ゲームのシナリオを変えたことによる余波を受け止めきれるほど……俺は強くならなきゃいけない。
それが、本来の未来を壊す俺の責任でもあるから。
いま一度、自らの覚悟に火を灯し、護衛の男性の肩を借りながら帰路に着く。
ちなみにオーガの死体は普通に【アイテムボックス】の中に入ったよ。
自分の倍近い巨体が一瞬にして消え去るさまを見たら、護衛の男性じゃなくてもびっくりする。
改めて、俺のギフトはチートだと思った。
しかし、この時の俺はそんな
自分が、どんな状態なのかを。
▼
「…………」
歩くこと二時間。
たっぷりと時間をかけて、なんとか道中、他の魔物に襲われることなく自宅まで帰ってきた俺と護衛の騎士。
だが、目の前に仁王立ちするひとりの少女——マリーゴールド・テラ・アリウムを見て、揃って青い顔を浮かべるのだった。
次第にガクガクと全身を小刻みに震わせはじめた俺と護衛の男性に、マリーは底冷えするような低い声を発する。
「おかえりなさいませ、お兄様。ずいぶんと無茶をされたようですが……お話、お聞かせ願いますよね?」
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