第2話 私の世界
制御不能 パートAー2
私は……柔らかい何かの上に横になっていた
ここは白い部屋 目が眩むような白い部屋
私は……黒い服を着た知らない人から話しかけられる
「君はなぜあそこに居たのか覚えていないのかい?」
私は怖くて喋れず、ただ首を横に振った
お母さんから言われたこと
お母さん以外には首を横に振る
「君は数年前に誘拐されたと言われているんだが、この女性に見覚えは?」
知らない人が……お母さんに似た人の写った何かを見せる……
薄暗い部屋でよく見えなかったが……
面影があって……思わず……
「お母さん……」
と呟いてしまって、口を塞いだ!
「お母さん?どう言うことだ?
君のお母さんは……ああ、お母さんが恋しいのか?」
知らない人は首を傾げながら、そう言ったが……
どうやら、大丈夫なようだ
思わず安堵の息が出る
「ん……もしかして……」
だけどその動作に知らない人は何かを思ったのか、私に話しかけようとして……
「まだ、この子は保護されたばかりで、疲れているんだ!そんな質問攻めは止めたまえ!」
また違う知らない白い服を着た人に止められていた
「だけど、先生さんよ!10年間行方不明だった少女が匿名の情報提供で保護されたんだぞ!」
黒い服の男がそう言っていたが……
「そう!10年だ!この子は10年も監禁され、身体中に暴行の跡があった……それに、食事だって……この子は外の世界を知らない!混乱しているこの状況で問い詰めても意味がないだろう!!!!!」
白い服の人が急に大声を出して、思わず肩が跳ね上がる
「あ……ごめんね驚かせて!」
私の様子に気づいたのか白い服の人は急に謝ってきて……黒い服に人に腕を引っ張って……出て行った……
私はあの世界から、この世界に移動したのだと思った
あの場所も、ここも変わらないと……
そう思っていると、私の世界のドアが軽く開き、さっきの白い服の人が……
「君のお父さんとお母さんに連絡しているから……すぐに来てくれるよ!」
そう言って再び出て行った
そして……しばらくして……2人に人が……ドアを開け……
私のお母さんと名乗る人物が……
私の世界に入り込んできて……
私を抱きしめた……
心臓が早鐘を打つ
喉が渇く……
何かわからないものが……
私の中に生まれて……
意識が……飛ぶ………
そして、温かい……いつも口にしていた味が口の中に広がり……
意識が覚醒する……
白い世界が赤く染まっていた……
私の腕の中には……お母さんと名乗っていた人が……
首から赤い……を流して……
口から白い泡を吐きながら……倒れていた……
一緒に来ていたもう1人が、大声を上げながら私を突き飛ばす!
お母さんに突き飛ばされた時よりも強い力で押された私はベッドから床に転げ落ちた……
ああ、お母さんの言葉を思い出した……
世界は私を嫌っている……
この人は私を嫌っているんだ……
私は……やらなきゃいけない……
助かる為には……
そして、私は……知らない人に飛びかかった……
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