第7話 逆襲への道

何が起こっているのか。

俺には理解し難い状況である。

アイツは何故平然と居られるのか。

そして何故、龍騎もそうだが平然と居られるのか。

かなり理解し難い。


「.....」


俺は教室で龍騎を観察していた。

だけど龍騎は爽やかそうな笑顔で周りに接している。

俺はその姿を見ながら盛大に溜息を吐きながら外を見ている.....と。

石塚が、こんにちは、と言ってくる。


「.....ああ。石塚。どうしたんだ?」


「.....うん。大丈夫かなって思って。.....例の件の続きの事も聞きたくて」


「例の件は進んでない。マジにそのまんまだな。でも多少は分かった事がある」


「そうなんだ.....って、え?何が.....?」


「.....少なくとも今の状況を恐れてないな。その2人は」


俺が告げるなり、!、と浮かべる石塚。

そして困惑しながら背後をチラ見しながら、そうなの、と小声で言ってくる。

ああ、と肩をすくめた俺。

それから、復讐しようとしたけどこんなんじゃな、と言う。


「.....その。大変だね」


「.....それにな。アイツらがそれ以降デートしたのを見たって言ったらそのままなので.....何とも言えない」


「.....そうなんだね.....」


「だけどまあそのうちに復讐はする。このままじゃあな、と思うから」


そうしていると教室に誰か来た。

それはベレー帽を被ったカメラの女子。

小学生の様な.....可愛い女の子。

何だコイツ、と思い見ると俺達より上の3年生だ。

その事に俺達は、???、を浮かべていると。


「このクラスに宮藤和歌君という男は居るかね」


「え?」


宮藤に何の用事だ、と言う感じで教室中が騒がしくなる。

俺と石塚は顔を見合わせて、俺が宮藤ですが、と立ち上がる。

すると、そうか君か。初めまして。私は伊藤鈴(いとうすず)という者だが、と切り出してくる。

俺は、はあ、と言って対応する。


「早速だが付いて来たまえ」


「.....え?何処に行くんすか?」


「ここじゃマズいのでね」


「.....?」


俺は連れて行かれる。

それから空き教室まで向かう。

するとそこに女子が居た。

俺を見ながらオズオズしている。


顔立ちはかなり伊藤先輩に似ている。

だが幼い顔立ちだが.....1年生?

その姿に、?、を浮かべる俺。


「.....どちら様ですか?」


「私の妹。.....伊藤美鈴(いとうみすず)だ」


「はぁ.....」


「.....早速だが君。私は校内新聞をやっている副部長でね。まあその肩書きは今はどうでも良いが。.....とっておきのスクープを撮りたいんだ。.....でそこで目に付いたのが君の親友さんだった。.....ちょっとここで相談もあってな」


「龍騎の事ですか?.....龍騎がどうしたんですか?」


「君は彼に対して復讐をしようとは思わんかね。その龍騎君とやらに」


「.....え?」


私の妹はどうもその男に汚されてね。

だから私はかなり怒っているんだこれでも。

と言いながら冷めた目をする伊藤先輩。

俺は、!、と思いながらその目線を見る。


「私は絶対に若宮は許せない。だからこそ悪事を暴こうと思ってね。.....協定を結ばないかな。.....妹の復讐も兼ねてね」


「.....しかし犯罪になる事は.....」


「勿論、合法的に決まっているだろう。.....シャブとか麻薬をする訳じゃ無く、だ。合法的に攻め込んでいくんだ」


「.....」


「私は絶対に許せなくてね。あの男は調べたら4股している可能性があった。その1つで私の妹も毒されてしまってね」


言いながら怒りの目をする伊藤先輩。

俺はその姿を見ながら、美鈴さん、だっけ、と声を掛ける。

するとビクッとしながら、はい、と答える美鈴さん。

俺はその様子に、何をされたんだ、と聞くと。


「.....色々です。.....あの人は可愛い子とエッチする事しか興味無いんです。本心.....は分かりません.....が。みんな毒されています。私、今回暴露しようと思って」


「.....ドクズだな。本格的に」


「そこで校内新聞で記事を撮ってから暴露しようと思ってな。.....勿論先生方にも協力を煽っているがあの男は.....周りも先生方も感じが良すぎて信じてくれない。犯罪を犯して.....いるというよりかは基準が曖昧で探りようが無いのでね。.....外面が良すぎるんだ」


「.....最低だ.....」


俺は思った以上に龍騎を見損なった。

しかしそれに付いて行っている三日月。

アイツも見損なったんだが。


なんで付いて行ったんだ。

どうなっているんだ?

思いながら俺は顎に手を添える。


「.....どうかな。君と私と彼女と君の仲間達で.....追い詰めようじゃないか。合法的に」


「.....分かりました。それなりに協力します」


「そう言ってくれるとは思ったけどね。.....早速だが君の三日月さん。つまり彼女さんが寝取られら可能性があるんだよね?」


「そうっすね。奪われました。.....よく知ってますね」


「噂になっていたからね。.....まあそうか.....事実だとするなら奴は心底のクズだ。私はやはり許せなくなってくるな」


「.....気を付けて下さいね。彼、頭が良いので」


知っている。

警戒しているよそこら辺は。

おっと。....次の時間が始まるね、と時計を見る伊藤先輩。

それから、じゃあ先ずはここら辺で。また集合しようか、と笑みを浮かべる。

俺はその言葉に納得する。


「.....すまないな。呼び出して」


「良いんです。.....その。.....俺達と同じ同志が居て逆に助かりました」


「.....うむ。そうか。.....じゃあ行こうか」


そして教室に戻る。

次の時間スレスレだったのでみんな何も聞いてこなかった。

俺はその全員の姿を見ながら特に龍騎を確認する。

それから窓から外を見る。

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