第二章 固まった塵

水分

私から水分を絞るなら

それは数滴も出ないでしょう

ただしそれらが出てきたら

私をもう握れなくなるでしょう


あの日あの時助けられて

体がどうなるかはわからずに

なすがままに助けられた

そして塵に確かになった


私から水分を絞るなら

何も色のついていない液体が

ただしそれらが見えたなら

あなたの手はざらつくでしょう


あの引き出しの中にいた時間は

死でいたかもわからない

ただ意識があって動けたの

生きていないはずの失血


私から水分を絞るのなら

私の体が削られる

ただしそれを感じたのなら

あなたの手も傷つくでしょう


私から何かを絞るのなら

私の体は霧散する

ただしそれを見ていたのなら

あなたの目も傷つくでしょう


失明しますよ

離れてください

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る