功
私がまた書いていると
誰かが来てくれました
昨日の昼に来た
あの男の司書でした
誰かを引き連れて歩いてる
彼は手を振りこっちに来る
誰を呼んだのでしょう
私がそれを待っていると
また別の司書さんが
私の詞を手に取って読んでくれました
前に来た司書は
なめくじを連れていました
私が入った引き出しを
開けてくれるためだけに
引き出しの鍵が開いて
久方ぶりに光が入る
肺や足は腐り落ちたけども
助けられたのです
話すことは叶わず
紙とインクで感謝を伝えます
あの詞と詩たちが
功を奏しました
息が詰まりそうになり
死への恐怖も消え去って
この世への未練がなくなり
塵と化しました
塵になってしまった私は
今でもあの場所へ行っている
思い出に浸ることで
涙を流すため
その流した涙は
私の塵を濡らしました
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