第27話
ロアが軟禁されている間、学校では何が起こっているかといえば彼女達が学校を統制していた。
外部から見れば、普通の学校生活を生徒が送れているように見えなくもないが、彼女達は仮にロアが学校に復帰した時の事を考えて、ロアのための学校へと作り変えようとしていたのだ。
例えばの話だが、ロアがいなくなって彼女たちが動き、裏学校集会というものがある。
そこで何が行われているのかと言えば、生徒を集め過去にロアへとしてしまった過ちの懺悔ともう二度としないと誓わせる。もし反抗するものが現れれば粛清対象として粛清部屋へと連行させられ、そこで形容し難いえげつない行為が淡々と行われる。
彼女達は目に光を通さない瞳で一切の慈悲なく行われるので、粛清対象者はもう二度と歯向かえなくなり、ロアの事を崇拝するという
粛清された者を見た他の生徒達は当然、恐怖を覚えて逆らうことが無くなる。
ロアに執心するまえの彼女たち、聖女と呼ばれいつもみんなのことを平等に扱って博愛を胸に掲げていたアリアや、生徒全員のお姉ちゃんと呼ばれているリリアがニコニコと微笑みながら粛清するというのだから、権力的にも実力的にも、精神的にも逆らえるはずはないのだが。
が、これはあくまでもロアが学校に行った時にロアに何事もないようにするための一種の予防線のようなものである。彼女達はロアの事をあの場所から出す気はさらさらないし、彼女たちが卒業したら、より見つからない快適な所へと場所を移すつもりでいる。彼女たちの行動原理はいつだってロアを中心に回っているのだから。
「ちょっと、まってミアさん」
「どうしたの?クロエ君。何度言われたって私はロアの居場所なんて分からないよ」
「でも、私が先生に呼ばれていなくなってそんなにかからずに戻ってきたはずなのにロアはいなくなっていた。だから、その場にいたであろう君たちに事情を聴いておきたくて」
「だから、私はその時偶然ロアの元を離れていたからロアに何があったかなんて分からないよ。逆に証拠でもあるの?」
「それは...........ないけれど」
ミアへとギリっとした悔しそうな顔を見せて、彼女の事を睨むが当のミアと言えばどこ吹く風で全くと言っていい程相手にしていなかった。
当然である。
クロエに必要以上にかまけてボロを出してしまうといけないためである。予め適当な理由を考えていたためそれ以外に話すことはないとミアやその他のリリア達に聞いても同じような答えしか返ってこなかった。
「それに私たちだって今、必死になってロアの事を探しているんだから邪魔しないで」
「.....そう、だよね」
クロエはそう言ってから彼女の元を離れた。
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