ある昼下がりの話 ライトなBL 2人用台本

ちぃねぇ

第1話 ある昼下がりの話

修:なあ

圭:なに

修:これどういう状況?

圭:さぁ?

修:なんで俺、お前に組み敷かれてんの?俺の記憶が確かなら、ここは大学の学生寮の俺の部屋で、俺は授業の空き時間に昼寝してたはずなんだけど

圭:うん、その認識で合ってると思うよ

修:どうやって部屋入ったんだよ

圭:鍵、開いてたよ

修:マジで?

圭:マジで

修:うわー不用心

圭:ほんとにね

修:んで?なんで俺お前に組み敷かれてんの?

圭:正確には昼寝してたあんたの上に乗りあげただけだけど…んーまぁ?いい機会だし?

修:どんな機会だよ

圭:俺、あんたに触れてみたかったんだよねーあんたが寝てる間に、唇奪っちゃった

修:マジかよ、泥棒

圭:あ、ファーストキスだったりする?

修:なわけあるか

圭:だよねーあんた遊び人だもん

修:そこまで遊んでねーよ

圭:そう?見るたび見るたび違う女の子連れて歩いてるじゃん

修:あれは向こうが寄ってくるんだよ

圭:うわーサイテー男のセリフだね

修:お前何。何がしたいの

圭:べっつにー?

修:…お前俺が好きなの?

圭:…うん

修:マジで?

圭:…うん

修:気づかんかったわ

圭:あんた、鈍いよね

修:お前が隠すの上手すぎなんだろ

圭:別に隠してるつもりなかったよ

修:同じ授業履修してるだけの野郎からの矢印なんて、気づく訳ねぇだろ

圭:それもそうだよね。あんた男に興味なさそうだったし

修:そりゃ?硬いばっかの男触って何が面白れぇんだよ。お前、そっちの人間なの?

圭:俺はどっちもいけるタイプ

修:守備範囲広いなオイ

圭:人生2倍楽しいよ

修:そりゃお得だな。…んで何?俺今から襲われんの?

圭:どうしようね?

修:俺、流石に尻突っ込まれるのやなんだけど?痛てーだろぜってぇ

圭:あ、バージンなんだ

修:ったりめーだろ

圭:じゃあ、突っ込む側ならいい?

修:あん?お前俺に抱かれたいの?

圭:そうだよ

修:俺、男相手に勃つ気しねぇけど

圭:じゃあその気にさせたらもらっていい?

修:へぇ?その気にさせてくれんだ?よっぽど上手なんだな?

圭:…そうだよ

修:…なぁ。お前に一個、教えといてやるよ

圭:なに

修:嘘吐くときは相手から目ぇそらさねぇ方がいいぜ?

圭:嘘なんて

修:お前、経験値少ねぇだろ

圭:…どうしてそう思うのさ

修:見りゃわかるんだよ。なんせ俺は、遊び人だからな

圭:…残念ハズレ。悪いけど、俺も結構な遊び人

修:んじゃあ、キスしてみろよ

圭:え

修:お前の手練手管で、俺をその気にさせてみろや

圭:…いいよ

修:ぷっ…だから!そういう時に目ぇ泳がせんなっつの

圭:なっ…

修:なあ、お前ヤりたいだけなの?

圭:え

修:一度俺に食われたかっただけ?それともセフレ希望?

圭:…どういう趣旨で聞いてんのそれ

修:俺的には?そういうチャラい付き合い方でもいいんだけど…普通に付き合うのはナシ?

圭:え…あんた、俺と付き合う気なの

修:ヤるだけとか味気なくね?

圭:あんた、遊び人じゃん

修:だからそんなに遊んでねぇって。俺今奇跡的にフリーだけど?どうする?

圭:俺、男だけど

修:好奇心はある

圭:…付き合ってくれるの?

修:付き合ってほしいのか?

圭:……うん

修:んじゃ付き合うか

圭:軽っ…!

修:とりあえず腹空かね?今学食空いてんだろ?行こうぜ

圭:……あんたの上から降りたら、全部ナシにならない…?

修:しねえよ。どけ。携帯携帯………ほれ。これ俺の連絡先

圭:あ

修:あ、そうそう。お前に一個忠告しとくわ。……あんな震えながら触れるだけのキスしたら、初心者なのバレバレだぞ

圭:あ…あんた起きて…!いつからっ

修:誰かさんが部屋に入ってきたところから?泥棒だと思って隙伺ってたら俺の周りちょろちょろした挙句、あんなガキみたいなキスかましやがって。小学生かよ

圭:なぁぁ

修:おっかなびっくり乗り上げたはいいが、どうしようかって途方に暮れてたからなぁ~しょうがないから、優しい俺は目を開けてやったんだよ

圭:あんた…全部最初から気づいてたのかよ!

修:文句は食いながら聞いてやる。ついでに、いつどこでどうして俺に惚れたのかも全部口割らせるから、覚悟しとけ

圭:…これじゃ、俺が襲われたみたいだ

修:言ってろ。…行くぞ、木村

圭:俺の名前、知ってたんだ

修:4月にゼミで自己紹介したろ?自慢じゃないが俺は記憶力はいいんだ。…あーでも、違うな

圭:え?

修:恋人なら呼び方がちげぇな。…行くぞ、圭

圭:し…下の名前で呼ぶな…バカっ

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