第5話 ユカエル×女介護士?

 ユカエルside


 俺は必死に逃げている。


「はあはあ」


 呼吸が荒くなりどうすれば言いかわからずに逃げている。


 (こうちゃん助けて)


 必死に光琳が助けに来ることを信じている。


 「どこに逃げれば!?」


 前方に変異したオーガ二体が身構えていた。


「が!?」


 オーガはユカエルのことに気付き追いかけてくる。


「はあはあ」


 ユカエルは必死に逃げる。


「が!?」


「こうちゃん助けて?!」


ユカエルはつまずき転んでしまう。


「が!?」


 オーガは追い付きユカエルを覗き見している。


「こうちゃん」


 ユカエルは目を閉じる。怖くてオーガに目を向けずにいる。


「が!?」


 オーガから何も返ってこず恐る恐る見る。


「え?」


 オーガの背中に矢が刺さってオーガのコアを撃ち抜かれ砂になる。


「え?どこから?」


 キョロキョロと当たりを見回すと誰もいなかった。


 コロンと何か音が聞こえてきれいな石っぽい何かが落ちていた。


 「これは何?」


恐る恐る触れようとすると


「あ、あ、あ、」


「え?」


 急にきれいな石から声が出る。


「声のテスト中、聞こえますかね?」


「………はい、聞こえます」


「あなたがユカエルさんですか?」


「………はい、そうですが」


恐る恐るユカエルは答える。


「ユカエルさん間に合って良かったです」


「あなたは誰ですか?」


「僕は介護士(訪問介護)です」


「え?」


 ユカエルは介護士(訪問介護)を聞いて戸惑う。


「ユカエルさん、時間がないので今の現状を説明させて貰います」


「………お願いします」


「はい、まず現状説明しますと、イルシアさん、詩野さん、光琳は、敵に完膚なきまでやられて捕まっています」


「え?」


 絶望的な報告を聞き膝をつく。


「ですので、現状かなり絶望的な状況です」


「………どうすれば良いの?」


「勝てる方法はありますが、ユカエルさんが危ない橋を渡らなきゃ行けません」


「危ない橋?」


「そうです。ユカエルさんも危うくなるし、下手をしたら最悪、光琳、詩野、イルシアの命まで危なくなりますが大丈夫ですかね?」


「………何をすれば良いの?」


「捕まっている場所まで違和感なく行ってください」


「違和感なく?」


「そうです」


「具体的にはどうすれば良いですか?」


「………恐らくですが、あなた宛になんらかのアクションをとって来て呼び出しをして来るかあるいはモンスターを仕向けて来ると思いますので隠れて待機していてください」


「わかりました」


「そういうわけでその綺麗な石をポケットに入れておいて下さい」


「わかりました」


「心配かも知れませんが僕がついてますので大丈夫です」


「はい」


「それでは、よろしくお願いします」


 ユカエルは近くに小屋があったのでそこに待機をする。


マリエルside 

「ふふふ、まさかここまで予定通りに行くなんて思わなかったよ」


 マリエルは笑みを浮かべていた。


「三人をぼこぼこにして、ぼろぼろに出来たので嬉しいですね」


「さてさて、後はユカエルちゃんをぼこぼこにして光琳ちゃんの心を折れば完璧だな」


「それでは、最後の詰めにとりかかるかな」





  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る