第3話 イルシア×ユカエル
イルシアside
(うっまずいことになったね)
イルシアの能力で視界共有をしていたが途中見えなくなったり歪んだりしてめまいに襲われる。
「ユカちゃん逃げるよ」
「………うん」
すぐ準備をして家を出る。
「こうちゃん」
光琳の携帯に電話をする。
「もしもし、こうちゃん」
「大丈夫かそっちは?」
「それどころじゃないわよ」
「どうした、そんなに焦るなんてイルシアらしくないぞ」
「だって、ミーちゃんが◯られたかも知れないんだよ」
涙声で話をする。
「……嘘だろ!?」
光琳も電話越しで驚く。
「嘘じゃないよ」
「………とりあえず急いで合流するから」
「わしらも今、光琳のところに向かっているぞ」
「イルシア!!それは罠だ!」
「え?まさか?」
イルシアの目で確認すると進行する方向の空間が歪み変異したオーガと魔術師が現れる。
「っく、ユカちゃん違うところに逃げるよ」
「うん」
ユカエル、イルシアは進行方向を変える。
「コウちゃん、済まない合流出来そうにない!!」
「了解すぐ向かう」
電話を切る。
「さて、どうする?」
イルシアは光琳のいる方向へと逆に向かう。
「!?」
何かヤバい気配を感じて、ユカエルを無意識に押す。
「何?」
暗闇に包まれて何かに飲み込まれて行く閉じ込められる。
「っく、やられた!」
イルシアは携帯を出すが反応がなく画面を見る。
「っく、圏外になっている」
イルシアは必死にどうするか考えようとする。
「やあやあ、イルシアちゃん、気分はいかがかな?」
どこからか声が聞こえる。
「………マリエル」
「ピンポン、ピンポン、当たりだよ」
「腹が立つね」
「ふふふ、今の気分はいかがかな?」
「最悪だし、ここはどこだい?」
「ここは宝石の中だね」
「宝石?」
「モンスターや人間を閉じ込めることが出来る。異世界アイテムだよ」
「………厄介な物があるね」
「今回は対策も立てて入念に準備したからね」
「そこまでするほど、わしらに価値はあるのか?」
「価値があるからこそ入念にしたんでしょ」
「どうしてそこまでするんだ?」
「それは、光琳ちゃんが強いからに決まってるでしょ」
「?」
イルシアはマリエルの言ってることに理解出来ずにいる。
「光琳ちゃん一人で厄災級に立ち向かえる力を持っているからこそ、潰したいのよ」
「潰したい理由がわからないし、そもそも。厄災級モンスターを一人で倒せることに何が問題あるんだ?」
「問題大ありよ」
「何が問題なんだ?」
「簡単に厄災級モンスターを倒せたら、わたくしが見ていてつまらないからに決まっているからでしょ」
「マリエル!あんたは遊んでるだけなのかい?」
「別に遊んでるわけではないよ。ただ」
「なに?」
「強すぎる光琳が心折れて、戦えなくなる姿を見たいだけだよ」
「マリエル、本当最低だね」
「わたくしは人を追い詰めるためだったら何だってするわよ」
(何とかしてここから脱出を)
「イルシア脱出は不可能だよ」
「やって見ないとわからないだろう」
「だって………から無駄だよ」
「!?(マジでお手上げだね)」
「さあてと次はユカエルちゃんと鬼ごっこしないとね」
「マリエル!ユカちゃんを傷つけたら許せないからね」
「大丈夫だよ。傷はつけない代わりに光琳ちゃんを追い詰めるための人質に使うからね」
「っく、ふざけるんじゃないよ」
「それじゃあ宝石の中の生活を楽しんでね」
マリエルの声が聞こえなくなる。
「ちくしょう、悔しいが何も出来ないし、わしは無力すぎる」
悔し涙をイルシアは流す。
「でも、諦めてたまるか、何とかして意地でも出てやる」
イルシアは必死に出る方法を考えようとする。
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