第2話 女介護士×マリエルの罠

 詩野side


 空から響き渡るように声が聞こえ始める。


「皆さん、ダンジョン探索、モンスター退治、異世界化した世界を楽しんでますかね」


 詩野はマリエルの声に警戒をし始める。


「皆さん警戒はしないで頂きたい」


 詩野は緊張が走る。


「今回は特別サービスで厄災級モンスターがいつ来るかを教えて上げようと思ってね」


(何?そんな簡単に教えるものかな?)


「ああ、安心してくれ予定の変更はないから大丈夫だからね」


(………嘘でないことは祈りたいが問題はいつになるかだ)


「さあて、発表をする厄災級モンスターを放つのは」


(さあ、いつだ?)


「5ヵ月後に放つからよろしくね」


(え?)


 何故5ヵ月後なのか判断に悩む日付で詩野はとまどう。


「ちなみに5ヵ月後にしたのは、ダンジョン、モンスターが発生して異世界化して4年目なのでその記念も含めて決めましたな」


(………なるほど、それなら厄災級モンスターを放つ日程はずらすことはなさそうだな)


「さらに特別サービスで厄災級モンスターを放つタイミングでわたくしがアナウンスして教えて上げる」


(随分と優しいな)


「………現状では世界人は弱すぎるからね、大サービスしないと行けないぐらいだからね」


(煽ってくるのは少し腹が立つね)


 詩野はイライラする様子を見せる。


「さあてとそれでは本題に入りますかね」


(厄災級モンスターの話が本題ではないのか)


「今から、わたしくしの話を終えた瞬間に変異モンスターを放たせて頂きます」


(やはり来るか)


「今回も世界人よがんばってくれたまえ」


(はいはい)


「さてさて、それじゃあ検討を祈るよ」


(さあて何が来るかな)


 詩野は武器を持ち構え始める。


「ああ、すまんすまん、伝え忘れていたことがあったよ」


(伝え忘れていたこと?なんだ?)


「前に放った変異モンスターを3段階ほど強くしたのでがんばってくれたまえ」


(ふん、3段階ほど強くなろうが自分なら油断さえしなければ倒せるはず)


「それじゃあ、がんばってね」


 マリエルの声が聞こえなくなる。


「!?(来たね)」


 グニャリと空間が歪みローブを羽織った魔術師のようなモンスターと変色して変異したオーガ二体が現れる。


「さてさて、すぐ決着をつける。(貫通、爆破)」


 腕を義手化して指の穴から銃弾を三体に飛ばすがオーガの身体は貫通せず無傷だ。


「何、効かない?」


 詩野は全く効かないことに驚く。


「ふん、ならこれでどうだ(爆破、貫通、拡散)」


 義足に変えて膝からミサイルのような物を出し爆発する。


「これで、倒せたはず!?」


 変色して変異したオーガと魔術師は無傷でたっていた。


(どんだけ頑丈なんだ)


 詩野は考えながら小瓶から一つ錠剤を取り出し飲みこんだタイミングで変異した二体のオーガが襲って来る。


(通常のオーガと動きが変わらないこれなら)


 素早く詩野は動き、変異したオーガの後ろに回り込み義足化して蹴り上げるがガキィンと鈍い音がして義足がぶっ飛ぶ。


「な、(早く、足を)」


 即座に詩野は足を生成して戻そうとする。


「え?戻らない!?」


 変異したオーガのパンチが詩野にめがけて勢い良く飛んでくる。


「っく」


詩野は義手にして両手で防御体制をとる。


「え!?」


 詩野の両手の義手が簡単に壊れ身体に変異したオーガのパンチがヒットしてボールのようにふっ飛ぶ。


「ごほあ」


 詩野は大きくたたきつけられて意識を失いそうになりかける。


「っく、まだだ」


 詩野は何とか両手、足を生成するとドクンと心臓が脈打ち視界が歪む。


(ま、まずい、カロリーが)


 詩野は小瓶を出し錠剤を一つ取り出し飲み込む。


(よし、まに、え)


 視界の歪みが消えず。意識が朦朧もうろうとなり倒れてしまう。


(ど、どう、いうことだ、薬が効いて?)


 詩野は意識を失いかけながら、ふと薬が効かないのと、どうして攻撃が効かなかったのか原因にたどり着く。


(っく、こう様ごめんなさい)


 詩野は意識を失い眠りにつく。


「………」


 二体の変異したオーガは違う方向に向かい魔術師は詩野を宝石のような物に吸い込んで行く。


 変異したオーガの後を追っかけて行くように魔術師も移動する。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る