さらに4ヵ月後(3年7ヵ月)

第1話 男介護士×マリエル再び

 4ヵ月が流れて、世界はダンジョン、モンスターの対応に追われている。


 一方で光琳は、ゴミクズダンジョンで引きこもったり、ミカエラのところに遊びに行ったり、外へ出かけて訪問介護しに行き、料理したり、掃除したり、オムツ交換をしたりと日々をこなしていた。


(さてさて、謎の声はどう動いて来る)


 今はダンジョンで相変わらず音をミュートにして、ライブ配信で動画をとり続けている。


(身体の適応状態考えたら切り替え時なのかな)


 光琳は現状をどうするか考え始める。


(ユカエルちゃんにも半年以上あってないな)


 ユカエルのことを常に思っているが今の現状あうことは出来ないと言い聞かせる。


(少し息抜きしにミカエラのところに行くか)


 光琳は動画機材を片付けてミカエラの教会に向かい始める。


「そういえば、イルシアの連絡の際も(ユカちゃんにも声聞かせろよ!!)と怒られたからな」


(本当はユカエルちゃんと一緒にいて、守りたいさ。でも)


力強く拳をにぎる。


(守れなくて心が折れた時が怖い)


 何かを思い出した表情になり、ミカエラのいる教会にたどり着く


「ミカエラ来たぞ」


「ああ、こうやん、今日はどうしたの?」


 眠たそうな様子で座っている。


「息抜きで来たが」


「………そうか」


 ミカエラは眠たそうな様子で反応する。


「あれ、美菜菊は?」


「ああ、退屈だから試練を受けた部屋で毎日、精神統一したり、ダンジョンの安全圏でリハビリはしているね」


「見ていなくて大丈夫なのか?」


「大丈夫だ。みなちゃんはきっちりルールは守る人だからな」


「そうか」


「こうやん、見たくルールを守らない人とは大違いだからね」


「………」


 返す言葉もなく無言になる。


「早く強くなりたくて、焦る気持ちはわかるが、◯んだら今までの生き方や人生が失われるし、悲しむ者がいるんだからな。こうやん」


「わかっているさ。ミカエラ」


「こうやんは守るためなら、平気で命を差し出す感じの危うさがあるからな」


「そんなに危ういかな?」


「危ういから言ってるだろうが」


「別にそんなことはないはずなんだけどな」


「こうやん、今ここに来たのも息抜きではなく、もっと強くなるために段階を踏もうかあたしに相談するか来たんでしょ」


「………ああ、そうだ」


「結論から言えば、こうやんはこれ以上強くなるのは難しいかな」


「難しい?」


「そうだ」


「なんでだ?ミカエラ」


「あらゆる階層で修行しすぎて身体が負荷に慣れてしまっているからな」


「確かにそうかもな」


「………残りは地下100階だが、あそこに行くには時間がかかりすぎて、とてもじゃないが行ったら戻って来れないからな」


「ああ、そうだな」


「100階のエレベーターがないし、90階までだからな」


「ああ、そこがネックだよな」


「しかも、100階に入ればだからな」


「全くそれが厄介過ぎ何だよな」


「まあ、とりあえず今のまま強さを維持するために90階で止めて置いてくれ」


「了解」


 光琳は帰り支度をし始める。


「あ、美菜菊には挨拶しても大丈夫かな?」


「やめておけ、精神統一の際は声掛けるのは禁止だと言ってるだろう」


「そっか、それなら美菜菊によろしく伝えといて」


「了解」


 光琳は部屋を後にする。


「さあて、私の家で休むかな」


「やあやあ、皆さん、元気にしている!」


 突然、明るい声が響き渡る。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る