裏5話 とある部隊の調査

 今現在、とある場所に車で向かっている。


 「隊長!!」


 「どうした?」


 青年が声を掛ける。


「今回の戦闘お疲れ様です」


「ああ、ありがとう」


 疲れた様子で声を掛ける。


「それで状況のほうはどうだ?」


「怪我人は出ましたが、◯くなったものはいません」


「それなら良かった」


 ほっと男は安心する。


「そういえば、隊長、どこに向かっているんですかね?」


「ああ、今向かっている場所は、レーダーが反応した箇所に向かっているんだ」


「隊長、レーダーに反応した場所に何かあるんですか?」


「反応した箇所に変異モンスターが10体と近くの場所で5体同時に出たんだ」


「隊長、レーダーの故障ではないですよね」


「………今どきの機械で不具合なんてないだろう」


「隊長、良くゲームアプリだと不具合見つかって緊急メンテとかあるから油断は出来ないですよ」


「おい、某ゲームアプリと一緒にするなよ!!」


「はい、すいませんでした」


青年は頭を下げて謝る。


「それで調査しに行くのはわかりましたが、私と隊長だけでは、無理だと思いますが」


「別に戦ったりはしないから大丈夫だ」


「え?」


「じゃあ、何を調査するんですか?」


「………変異モンスターが反応が出てから数分足らずでレーダーから消えたんだ」


「隊長やっぱり不具合でしょ」


「不具合かどうかは調査して見ないとわからないから行くんだ」


「了解です」


「さて、現地に到着するぞ、降りる準備をしておけ」


「はい、わかりました」


 現場に到着する。


「着きましたか?」


「………これは、ひでえな」


 家?というか、診療所なのか、見事に破壊されつくしている。


「これは、間違いなく、変異モンスターが暴れた後だな」


「どうして、わかるんですか?」


「理由は、この建物事態が異世界化されているからだ」

   

「異世界化?」


「そうだ」


「建物が異世界化されてると、どうなるんですか?」


「………知らないのか少しは勉強しておけ」


「はい、すいません」


「異世界化した建物には、モンスターは基本近づかないんだ」


「どうして、異世界化した建物には近づかないんですか?」


「異世界化した武器と防具と一緒の原理と考えれば言良い」


「ああ、確かにそうですね」


 青年は納得する。


「建物もそうだが、現実世界の建物は容赦なく破壊するが、異世界化した建物には何も反応なく通り過ぎて行くんだ」


「なるほど」


「そういうわけでわかったかな」


「はい、わかりましたが」


「どうした?何か気になることあるのか?」


「何で異世界化した建物が破壊されてたんですか?」


「………恐らくだが、変異モンスターは違っていて、容赦なく襲うんだと思う」


「なるほど、そうなんですね」


 青年は納得した表情を見せる。


「………さてと調査はして見たが、変異モンスターの◯体もないな」


「そうですね」


「後は、ここで襲われた人も、どこかへ避難したのかな」


「そうですね◯体もないです?」


「どうした?」


「これ、何ですかね?」


「どれ」


 男は落ちている物を確認すると銃弾のような物が落ちていた。


「………これは凄いな」


「凄い?」


「ああ」


「どこからどうみても銃の弾だと思いますがね」


「銃の弾なんだがこの弾、恐らく異世界化されているな」


「え?異世界化されている弾なんて存在するんですか?」


「まあ、現に落ちて存在しているということは、間違いはないだろうな」


「確かにそうですね」


「とりあえず、収穫としてはあったが」


「何か引っかかることがあるんですか?隊長」


「公式やDDMアプリで登録した奴で異世界化した銃を使ってる奴は見たことないんだがな」


「ということは、登録してない人ということですか?」


「恐らくそうだな」


「でも、なんで登録しないんですか?」


「………恐らくだが、公式や政府にバレたくないから登録してないかも知れないな」


「え、それでも、登録した方がメリットはかなりあるはずですよね」


「確かにメリットはあるが」


「何かあるんですか?隊長」


「恐らく監視や情報が流れないように登録はしてないんだと思う」


「そこまでして、知られたくない情報があるということですか?」


「………多分そうだと思う」


「どうしてそう思うんですか?隊長」


「ここで戦った奴は恐らくだが、一人で変異モンスターを5体~10体を相手にしているからだ」


「え!?そんな怪物が日本にいるんですか?」


「間違いなくいるだろうな」


「じゃあ、もしも、この倒した人が私たちの部隊の味方になれば」


「………多分味方にはならないと思うな」


「え?どうしてですか?隊長」


「………恐らくだが公式やDDMアプリを登録してないということは、政府のやり方を嫌っているふしがあって離れていると思うんだ」


「確かに政府のやり方を嫌っている者は未だにいますからね」


「そう考えたら登録してないのも納得ですね」


「ただ、良いことなのか、生き残れる確率は上がったな」


「そうですね。上がりましたね」


「ただ、他の人に頼りっきりもダメだからな。


「そうですね。隊長」


「俺たちも生き残れるようにがんばらないとな」


「そうですね」


「それじゃあ、戻るぞ」


「はい、隊長!」


 車に乗り、崩壊した診療所から離れていくのであった。

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