3カ月前 過3話 詩野×ダンジョン内の教会

 光琳side


 教会に入ると身長低めの黒髪のシスター服を来ている女の人が立っていた。


「こんにちはミカエラちゃん」


「やっほー久々やなこうやん」


「元気そうで良かったです」


「こうやんこそ元気そうで良かった」


和気あいあいとお互いに話始める。


「ありゃ、そこの可愛い人は誰かな?」


 ミカエラが詩野に気づく。


「ああ、紹介します。詩野さんです」


「どうもはじめまして、詩野ミラです」


「ミラミラね。よろしく」


「あ、ああ」

 

 ミカエラの軽々しさに詩野は戸惑いを見せる。


「あたしはミカエラ、よろしくね。ミラミラ」


 手を触り一方的に握手をしようとすると詩野は反射的に手をはらう。


「あ、ごめん、別に」

 

 慌てた様子に詩野はなる。


「………なるほどね、光琳、今回はそう言った理由かな?」


「ミカエラちゃん察しが良くて助かりますね」


 ミカエラ、光琳はお互いに納得したように頷き始める。


「光琳、自分だけおいてけぼりで話を進めないでくれ」


 詩野はすねた感じで光琳とミカエラの間に入る。


「ああ、すまないね」


「それで、何で頷いたの?」


「ああ、これからお願いすることを察してくれたんだよ」


「何をお願いするの?」


「詩野のスキルを開花させて欲しいってね」


「え!?」


 詩野は驚く。


「というわけでミカエラすまないがよろしく頼む」


「はいはい、わかったよ。こうやん」


「光琳、ちょっと待って?」


詩野が間に入る。


「うん、どうした?詩野」


「スキルの開花は光琳が教えるわけではないの?」


「開花のきっかけは教えることは私に出来ませんが」


「うん」


「開花後から伸ばすのは出来ますな」


「なるほどね、ただ、一つ聞きたいんだけど」


「何ですか?」


「どうしてそんな回りくどいことしたんだい!?」


「ああ、それはね」

 

 光琳は困った表情をする。


「そこは、あたしが説明するね」


 ミカエラが話に入る。


「ああ、ミカエラすまない」


「いえいえ、それじゃあミラミラ、スキル開花の報告は聞いてるかもしれないけど、具体的にどうやるかは知らない感じだよね?」


「ああ、知らないし、調べても曖昧なことしか書かれてないからな」


「開花する条件は、さえ掴めれば簡単ですがね」


「毎回、毎回、とは何なのかが曖昧過ぎるんだよ、答えを教えて貰えないか?」


「………ミラミラ答えはね、自分自身の嘘偽りのない答えや姿がなのよ」



「だから、答えの意味が」


「詩野、ミカエラちゃんの答えの通りですよ」


 光琳が間に入る。


「だから、どういうことだ?」


 怒り口調で、光琳に話をする。


「………最初に家で私が嘘偽りなく生き方を書いてと言ったじゃないですか」


「ああ、言ったな」


「あの段階で開花する道筋の為に書いて貰いました」


「道筋?」


「そうです」


「それと、ここでのスキル開花と関係があるのか?」


「ありますね」


「光琳、どういうことだ?」


「それは受けてみればわかります」


「う、わかりましたよ」

 

 納得行かない表情に詩野はなる。


「それじゃあミラミラ、着いてきてね」


「はいよ」


 詩野とミカエラは少し歩き奥の部屋にたどり着く。


「それにしても、ミラミラは凄いね」


「なんで凄いのさ?」


「だって、この教会にたどり着くことがもう凄いことなんだよ」




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