第6話 男(介護士)×イルシアと話す

 外に出るとイルシアが女性の様子を見ている。


「イルシア、状況はどう?」


「OK大丈夫、血圧も熱も正常には回復しつつある呼吸も大丈夫そうだよ」


「ありがとう。イルシア」


「いいえ、どういたしまして」


「イルシア必要な物はある?」


「今は大丈夫だけど」


「けど?」


「水を頂戴。喉が乾いた」


「はいよ」

左手から500ミリボトルの水を出す。イルシアに渡し、すぐ蓋を開けイルシアは飲む?


「はあ、本当にこうちゃんの能力は便利だね」


「………便利ではないよ」


「そんなこと言ったら私たちのほうが足を引っ張っていると思うんだけどな」


「足を引っ張ってるわけないでしょ。ユカエルちゃん、イルシアがいないと私の介護士の仕事(訪問介護)は成り立ってないよ」


「ふふ、わしとしてはこうちゃんがいないとわしも仕事は出来ないからね」


「まさか、そんなことは」


「あるから言ってるんだよ。こうちゃんあんた自分の能力スキルがどれだけ凄いかを自覚しなさい」


「………別に凄くはないと思うよ」


「こうちゃんがいないとね。私たちは異世界人に介入して治療や介護も出来ないんだよ。少しは自覚しなさい」


「………イルシア、万が一の為に大量に異世界変換した物を生成したでしょ」


「こうちゃん!!」


「………すまないね」


「こうちゃん、ユカちゃんが心配するし悲しむからな」


「………わかってるよ」


「ユカちゃんにあることは話してないのか?」


「………まだ話してない」


「ふう、わしからユカちゃんに伝えるか?」


「………いや、伝えなくても大丈夫だよ」


「こうちゃん、強がりと意地を張ってはいないのじゃな?」


「別に張ってはいない、ただ」


「ただ?」


を話したらユカちゃんから全力でモンスターと戦うのもダンジョンに暮らすのも介護士として仕事(訪問介護)も止められるのわかっているからね」


「ふう、こうちゃん、ユカちゃんの気持ちもわかってやれよ」


「わかっていたとしてもな。そうも行かない理由があるからね」


「まあ、理由はわかるがな」


「そうだね、それに今年か来年には厄災級モンスターが来るからね」


「そうじゃな」


「政府側が準備した最強戦力で、全力でぶつかって倒せれば一番理想的ではあるけどね」


「まあ、そうじゃな」


「………でも、そうはならないと思う」


「どうしてそう思うんじゃ?」


能力スキル開花してる人が少なすぎるのと異世界化した武器に頼った戦い方だからな、かなり危ういと思う」


「ふむ、確かにそうじゃな」


「後、能力スキル開花した人がいたとしても鍛えてる人はあまりいなさそうだね今のところ」


「まあ、そりゃそうじゃな、普通に鍛えたらそんなに上がらないし時間がかかり過ぎるからね」


「………そうだね、時間がかかり過ぎるしを掴まないと行けないからね」


「だが、こうちゃんはをクリアしたのとを見つけたから今があるからな」


「………そうだね、でも、それはユカエルちゃんとイルシアのおかげでもある」


「いやいや、わしもユカちゃんもあんたのすることに

一緒にやりたかったからね」


「………ありがとう。イルシア」


「なんもだよ。ところで?」


「?」


「政府には情報は流したり話をしないのか?」


「誰が話すかよ。社会的弱者を切り捨てたんだ。教える必要なんてないだろう」

 怒り口調に光琳はなる。


「こうちゃん、怒らないの」


「………すまない」


「まあ、こうちゃんの気持ちは痛い程わかるけどね」


「ああ」


「政府もそうせざるえないんだから、しょうがないと割りきらないとね」


「割りきれるわけないだろう」


「………まあ確かに割りきれるわけないよね。こうちゃんは介護士として訪問介護に命懸けで全力出していたからね。なおさら怒るのもわかるわね」


「ああ、そうだな、でも」


「?」


「ユカちゃんとイルシアだけは全力で守りたいかな」


「………こうちゃんらしいね」


「手に届く範囲だけ守れれば十分だよ」


「………そっか、さて、こうちゃんそろそろ来るのかな?」


「ああ、後2分ぐらいで来るんじゃないかな」


「………後、こうちゃん、ユカちゃんにモンスターが来る時間を嘘付いたね」


「ああ嘘ついたよ」


「何で嘘ついたの?」


「戦闘前はユカエルちゃんと話したくないんだ」


「毎回聞いてるけど何でさ?」


「私の戦闘する為の準備だよ」

口調が変わり目付きが変わり殺気が広がる。


「………こうちゃんの殺気だっている姿をユカちゃんには見せたくないのね」


「そうだね」


「確か前にも聞いたはずだけど、私には殺気だっているこうちゃんの姿を平気で見せるのは何で?」


「そりゃあ信頼しているからだよ」


「………ありがとう。ついでに聞くけど、どれくらいモンスター来てるの」


「まあ、5くらいかな」


「………そう、」


「生成はダンジョン以外だとリスクがあってめんどくさいね」


「こうちゃん、生成のリスクはユカちゃんに話してないの?」


「ああ、話すと生成は使わせてくれないからな」


「………こうちゃん、ユカちゃんにばれたら頭潰されるよ」


「それも嫌だから言ってない」


「全く、こうちゃんは」


「あははは」


「愛想笑いでごまかさないの、それで、毎回はぐらかされるんだけどリスクはどれくらいかえって来るの?」


「今回の生成コストの体感だと周囲なのかダンジョンのモンスターが出てきてるのかな?毎回使って試してるんだけど良くわからないんだよね」


「………そうなのね」


「さて、そろそろ来るから、家に入ってて」


「了解、怪我しないようにがんばりなさい、怪我したらユカちゃん悲しむからね」


「はいよ。ゆるくがんばるよ(本当はがんばりたくない)」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る