03 銀白色のオオカミ
「あの子は、
「呼びかけても反応しないし……カード化もしない。
まさか、最初に立ち向かわなければならない相手が、狂暴な巨大タコだなんて。
「自我って、どうやったら戻るの?」
「わかんない。このバッジを使うんだと思うけど……」
ネオンは、
そして中から、〚
「さっき、20番の《
ネオンはカードポケットをめくり、《
カードには、動物の骨のような姿の
(えーと、ゲームの『ブレイブ・エレメンター』と同じ考えでいくと、このバッジは元素そのものだから……)
理玖は、円に言われて持ってきた理科の教科書をめくり、『
酸化しやすい物質のひとつとして、
「つまり、《
〚
「たぶん、そーだと思う」
「ってことは、このバッジも、元素のもつ働きを再現できるってことだ」
理玖は、
「『ブレイブ・エレメンター』と同じような仕組みだとすれば、バッジを使って
「化合物?」
「異なる
理玖は円に説明しながら、
……と、そこで初めて、気付く。
「って、ダメだ。水を作ろうと思ったけど、これじゃ〚
「ど、どういうことだ?」
理玖の手元をのぞきこみながら、円がたずねる。
「水の化学式は、〔H₂O〕。
つまり、2つの〚
「ということは……〚
円も理解したようで、腕をくんで「うーん」と考えこむ。
「〚
ネオン、このバッジはどうやって集めるの?」
「えぇ~っ!? そんなの、わかんないよぉ!
その2つのバッジは、最初っからそこにあったモン!」
ネオンの言葉に、理玖は頭を
扱い方もわからないモノで、どうやってあの巨大タコを助けるというのか。
理玖が絶望していると、突然、
「な、なんだ……!?」
円は思わず、
すると、カードポケットが勝手にパラパラとめくられていく。
「お前ら、だまって聞いてりゃ……」
そして、低く野太い声が聞こえたかと思うと。
カードの中から飛び出すようにあらわれたのは、銀白色の毛をした、大きなオオカミだった。
その姿と迫力に、理玖と円は完全に腰をぬかした。
(これは、今度こそ僕、死んだ……)
オオカミのするどいキバとツメを見て、理玖はとうとう命が
……が。
「お前ら、そろそろ説明書を読んだらどうだ」
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