1-7【これが村の学校】



◇これが村の学校◇


 救世主きゅうせいしゅ現る!?スポーツ紙とかでたまに見かける見出しだけどさ、今ほどそれが現実に起きたんだと思った事はないぞ。

 俺はクラウお姉ちゃんの両手を振りほどいて、その救世主きゅうせいしゅこと、ミラージュ・ライソーンの所にけた。三歳児の全速力で。


「ミラージュおねーちゃん!」


「――んぉ?おおー、レインちゃんの弟くんじゃ~ん!」


 ミラージュもこちらに気付いて、元気よく俺を受け止めてくれた。

 そうだとも。必死に飛び込んだよ。


「どうしたのかな?そんなに急いで、転んじゃうよ?」


「えへへ……」


 いやされるでしょ~。天使のスマイルだよ~。


「……う、うわぁ」


 え!?俺の笑顔が効かない!?――って違うな、ミラージュは俺の後ろを見てる。

 クラウお姉ちゃんを見たんだ。


「どーしたのクラウちゃん。そんなに怖い顔してさっ」


「……別に。行くよ、ミオ」


 俺は聞こえないフリをして、ミラージュにじゃれつく。

 セクハラって言うなよ。頼むから。


「なんだよ~クラウちゃん、どうしていっつもあたしにツンケンするのさ?」


 そうなのか?クラウお姉ちゃん、もしかしてミラージュのような子が苦手なのか?

 それとも……俺がじゃれているから?


「……ふん」


「あ……」

「……」


 行っちゃったよ。俺を置いて。

 そこまで嫌なのか?レインお姉ちゃんの友達だぞ?


「どーしよっか?ミオくん」


「どーしよ?」


「あはは、可愛いな~」


 ナデナデしてくれるミラージュ。

 あれ、何か今までで一番子供らしくないか?

 と、そんな事を考えていたら……


「――ミラージュちゃん、お待たせ……ってミオ!?」


 レインお姉ちゃんだ。そうか、今日は待ち合わせだったのか。

 それにしても、クラウお姉ちゃんは家に帰ったんじゃないのか?


 すれ違うと思ったんだがな……レインお姉ちゃんと。

 レインお姉ちゃんの様子を見ている限り、そんな事はなさそうだった。


「おはよ」


「うん、おはよ――じゃないよミオ!どうして一人でここに居るの?ダメでしょ!?ミラージュちゃんがいてくれたからいいけど……」


 おお、ノリツッコミした。

 レインお姉ちゃんは俺の肩をつかみながら、真剣に言ってくれる。

 やっぱりいい子だなぁ。優等生タイプなんだろう。


 つーか、二人の姉妹全然性格違うな……顔は似てるけど、ルドルフにもレギンにも性格は似て……いや、クラウのむっつり感は母親似だったわ。

 レインお姉ちゃんが特別清楚せいそなんだ、きっと。


 ん~っと。と、とりあえずあやまっとくか。

 

「ごめんなさい、おねえちゃんっ」


 上目遣いで~。見上げる!

 ほら見ろ、キュンとしただろ?


「も、もう……どうしよう、もう学校行かなきゃなのに」


「二日目から遅刻ちこくはやばいよね~」


「ど、どうしようか、ミラージュちゃん……?」


 なんか……すまん。

 せっかく優等生路線で行けそうなのに、遅刻ちこくさせるかもしれん。

 そんな俺の心の中の謝罪など聞こえるまでも無く、ミラージュが言う。


「あ、そうだ!ならさ……一緒に行く?学校に」


「「……え?」」


 俺とレインお姉ちゃんが、綺麗にハモって……一緒に学校へ行くことが決まった。

 八歳児二人の苦肉の策は、俺を一緒に学校へ連れていく事。

 だ、大丈夫か?レギンママンあたり、必死になってさがしたりしないか?


「……連れて行くっていっても、お母さんとお父さんに言わないと」


 だよなぁ。ルドルフはともかく、ママンは絶対心配するぞ?

 あ、いや……今はルドルフもちゃんと心配するだろうな。


「じゃあさ、ほら……あそこにいるのは誰でしょう?」


「え?」


 え?誰?普通に散歩さんぽしてるおばあちゃんじゃないの?


「……そっか!おばあちゃ~ん!」


 レインお姉ちゃんも心当たりがあるのか、散歩中のおばあちゃんに声をかける。


「お~お~、レギンじゃないか……」


「もうっ、私はレインだよ!孫と曾孫ひまごの顔間違えないでよ~」


 なるほどね。曾祖母そうそぼだったのか。

 ……。……。……。――は?


「……」


 多分、同じ顔してるよ。今のミオと心の中の俺。

 レギンが孫で、レインが曾孫ひまごだろ?

 つまり俺のひいばあちゃんじゃん!!え?なんで?初顔合わせなんだけど!!

 思い返せば、産まれてから一度もじいちゃんばあちゃんに会ってないな……ルドルフにもレギンにも。両親はいるはずだよな?

 家でもそう言った会話はしてないな、そういえば。


 にしても、こんな近くに親戚いたんだな……普通におどろいたわ。

 近くに住んでたのか……ひいばあちゃん。なんで今まで……ん~。あ、そういうことか?

 人の名前を間違える、一人でウロチョロしている。

 それを考えれば……きっとこのばあちゃん……認知症にんちしょうなんじゃないか?

 でもこの世界……正確にはこの村には呼び方がないんだ、認知症にんちしょうという名前が。


「おばあちゃん、この子……ミオって言うの。曾孫ひまごだよ?」


「……」


 俺はレインお姉ちゃんの後ろに隠れて、ぺこりと挨拶あいさつをする。

 恥ずかしそうに、少し怖がりながら。


「お~そうかい、それで、なんだい?」


 興味きょうみなしっすか?それはそれで悲しいんだが。


「私、今から学校に行くのね。でも、この子を家に連れて行く時間も無くて……だから、連れて行こうと思うんだけど……おばあちゃん、お母さんに伝えてくれる?」


 だ、大丈夫か?このばあちゃん。


「あ~はいはい……レギンにね。わかったよ」


 笑顔で言うけど、どこ見てんだ?

 ほ、本当に大丈夫か?不安なんだが。


「うん!お願いね?……それじゃ行こう、ミラージュちゃん!」


 足早に、レインお姉ちゃんは俺をおんぶして走り出した。

 俺はそんなレインお姉ちゃんの肩越しから、ひいばあちゃんを見ていたけど、やっぱり不安だらけだった。


 ひいばあちゃんがボケてるって、きっとレインお姉ちゃんの中でもあるんだろう。

 本当は、俺を預けるのが手っ取り早いんだ。

 でも、素直にそれをしなかったのは、ひいばあちゃんの現状が、家族間でしっかりと共有されているからだろう。

 俺は知らなかったけどな……ひいばあちゃんがいる事すら、この時初めて知ったんだから。




 あっと言う間に着いたよ。学校だってさ。

 意外と早く着いたな、総勢数名の学校――学校?


 ん?学校?これが学校?


「良かった、間に合ったね!」


「そーだね、早くすわろっか」


 せまい教室の中で席に着く二人、俺はレインお姉ちゃんの膝の上にちょこんと乗っている。

 しかし当然……このようなお子様は注目は浴びる訳で、視線は全部俺が独り占めをして、授業が始まるのだった。


 レインお姉ちゃんに連れられてやって来た学舎がくしゃだが、どう見てもそれはただの小屋だった。

 十人は入れればおんの字と言ったせまい空間に、子供が数人と教師とみられる大人が一人。あと俺。

 初めは怒られるかとも思ったが、レインお姉ちゃんは怒られるどころか、弟の面倒を見てて偉いねとめられていた。

 その時のレインお姉ちゃんの蒼白振りと言ったら、想像も容易たやすいだろ?


 普段は大人しく、将来はおっとり系の清楚せいそ美人が確約されたような存在のレインお姉ちゃんだ。

 実は登校に遅れそうで、家に帰してる余裕よゆうがなかったから連れて来ただけなんて、口がけても言えないって。そういう子だもの。


 でもって、今は日本で言う国語?の授業中だ。

 これはに俺も興味きょうみがあった。

 オヤジ殿やママンが文字を書いている所を見た事が無かったから、この世界の言語が何なのか知りたかったんだ。

 聞こえる限りは日本語だし、イントネーションもほとんど通用する。

 一部現代語とかが怪しいが、和製英語とかも行けるあたり、この世界は転生者に寛大かんだいだ。


 レインお姉ちゃんが机に向かい、今の俺はおんぶをされて肩越しに勉強を見る。

 周りからクスクスと小さな笑い声が聞こえるが、俺か?笑われてんの。

 それともレインお姉ちゃんか?ならぶっとばすぞ。出来ねぇけど。


 お。文字を書くな……どれどれ――って、平仮名ひらがなじゃん……それ。

 どう見ても「あ」だ。マジで?平仮名ひらがななの?この世界の文字って。

 先生と見られる方、ポロッサさんと言うらしい女性は、少し前にこの村に越してきたのだと言う。

 こんな村に良く来ましたね。でもそのおかげでレインお姉ちゃんが学校に通えると思えば、あざす!!と声を大にして言いたい。


 お……?また笑い声が聞こえるな。

 どれどれ……男じゃねぇか。しかも二人。

 そろえたように笑いやがって……俺の清楚せいそなお姉ちゃんを笑うんじゃねぇよ、まったく。


「……はぁ~」


 お疲れ様、レインお姉ちゃん。今日からが初授業だろ?

 ごめんな、邪魔じゃまして。あと、俺重いよな。三歳だもんな。


「レインちゃん、お昼どうするの?」


 ミラージュもお疲れさまだよ。今日は迷惑をかけた。


「う~ん……どうしよ――」


 レインがミラージュに応えようとした瞬間。


「――スクルーズんとこはせた野菜だろぉ!そればっか食ってんだもんなっ!」

「ぎゃははは!そーだよなぁ!?昨日もみっともない野菜だけだったしっ!」


「……あ?」


 ごめん。素で声出たわ。

 さいわいにもレインお姉ちゃんには聞こえなかったようだけど。

 おいこらクソガキが、うちの野菜はともかく、レインお姉ちゃんが悪いみたいに言うなや!バカにしてんじゃねぇぞ!!


 悪ガキの一言に俺が一番カチンと来ていたが、大人げない真似まねはしない。

 昼休みなんだろう、飯を食おうが遊びに行こうが自由だ。

 だがな、人を馬鹿にしていい訳じゃねぇ。


 俺が見据みすえるこのガキは、「どうせ野菜」と言った。

 どうせ?お前、その野菜食ってんだろ?この村の野菜の出荷率しゅっかりつは、スクルーズ家うちがトップなの分かってんのか!?


 しかもせた野菜とか言ったなこのガキ!

 売りもん以外の質の悪い物は率先そっせんして自分たちで食うに決まってんだろうが!!

 それに、この三年で……どれだけオヤジが努力してきたと思ってんだゴラァァァァ!!


 ――おっといけない。と、とにかくだ……どうせ野菜だなんて馬鹿ばかにされたようなことを言われては、流石さすがだまってはいられない。

 きっとレインお姉ちゃんは、押し黙ってしまうと思うんだ。

 だから、俺が大泣きでもして場をにごそうかと思ったん……だが。


 レインお姉ちゃんは、机に掛けてあった布のかばんから、おもむろに何かを取り出した。

 お!?まさか、何かしだすのか?温厚なレインお姉ちゃんが、いったい何を……!?


「……ふんっ」


 ドスン――!と、机に置かれたのは、商人から買った小さなバスケット。

 食品を入れるものだ。詰まる所の弁当箱だな。


「な、なんだよ……」


 あ~、レインお姉ちゃん怒ってるよ。

 悪ガキもさ、多分そこまで本気で言ってないんだよな、きっと。

 分かるよ。最初に言ったお前……レインお姉ちゃんに気があるんだろ?

 好きな子をいじりたくなっちゃうアレだろ?分かる、分かるよ。


 まぁ、俺は――絶許ぜっゆるだけどな!


 ゴホンッ――そ、それで?レインお姉ちゃんは何で弁当をこれ見よがしに出したんだい?

 まさか、うちの野菜は美味しいんだぞって、高らかに宣言せんげんするつもりか?


「……うちは……うちは……」


 よし、レインお姉ちゃんがその気なら、俺だって応援するさ!

 言ってやればいい!!


「うちだって……――お肉あるもん!!」


 そうだ!!肉あんだよ!!肉が……え?肉?

 レインお姉ちゃん?なんでそこで肉なのよ……?

 え、なに?もしかして昨日のボア肉か?


 ミオくんもきょとんよ。

 ねぇ、しかもこのドヤ顔よ……そうじゃないんだよなぁ。


「――うわぁ、くっせぇ!くっっせぇぇぇ!」

「ぎゃははは、くっせーのー!」


「……レインおねぇちゃん……」


「――む、むぅぅぅぅぅ!!」


 うわっ――なにその顔、めっちゃ可愛いんですけど!!

 顔を真っ赤にしてほほふくらましてさ、涙目だぞ。


「――あんたら!!レインちゃんいじめたらただじゃ置かないからね!!」


 お、ミラージュ……いい子だ。

 友達を守る優しい子なんだな。尊敬そんけいしますよ。


「うっわー男女がおこったぞー」

「おこったおこったーー!」


「……こ、のぉぉぉぉ!!」


 やばい!!ミラージュがキレた!!

 どこの世界でもあるんだな、こう言う子供のトラブル!

 俺は見る事しか出来ないまま、喧嘩けんかが始まってしまったのだった。




 ――唐突だけど、帰り道だ。

 学校からの帰り、俺は相も変わらずレインお姉ちゃんにおぶられている。

 そのレインお姉ちゃんは、目元を真っ赤にしてとぼとぼと歩いている。

 レインお姉ちゃんの前には、ミラージュがいる。

 が……ミラージュはほほが赤い。


 あの後さ、ミラージュは勇敢ゆうかんにも悪ガキ二人に殴りかかって行ったんだ。

 めっちゃ勝気だった。でも、分かるだろ?ケガしてるんだからさ。

 返りちだよ。ミラージュは悪ガキ二人にボコボコにされた。ポロッサ先生が駆け付けるまで、ずっと。


 レインお姉ちゃんは、何も出来ずにずっとオロオロしてて、泣いているだけだった。多分それを気にして、ミラージュに声をかけられないんだ。


「じゃ、あたしはここで」


「あ、ミラージュちゃん……」


「ん?」


 真っ赤なほほを痛そうにもせず、ミラージュはレインお姉ちゃんに笑いかける。言ってあげよう、レインお姉ちゃん。


「えっと、その……ま、またね」


「……うん。また……ね」


 ミラージュは一度も振り返らず、帰って行った。


 言えなかったか。

 なら、俺が言ってもいいものか?いや、駄目だめだよな。

 これは友情の問題だもんな、俺が言っちゃいけない。


「……う……うぅ……」


 いいよ。レインお姉ちゃん、泣こう。

 辛いんだよな。俺しかいないから、泣いていいよ。


 レインは両手で顔をおおって、ついにはくずれてしまう。

 その反動で俺は足を打った。痛てぇけど、絶対に言わない。


「ぅぅぅ……ひっ……うぇぇぇぇん……わぁぁぁん……」


 自分が情けないとかさ、腹立たしいとかさ。

 子供の時は自制も利かないし、感情の波が一気に押し寄せてくる時だってある。


 そんな時は、泣くに限るよ。

 こんな道端みちばたでも、いいさ。誰も見てない。

 本当はミラージュを助けたかったよな……オロオロするだけの自分が、嫌になるよな。


 自分のせいで怪我けがをしたと思ってるんだろ?

 でもさ、それは違うんだよ。

 ミラージュはさ、レインお姉ちゃんを助けたくて助けたんだ。

 友達だから、友達が困ってたから手を差し伸べたんだ。


 それに加えて、更に自分に対しても嫌な事を言われて、自分も腹が立っちゃって、あの男の子たちにかかって行っちゃったんだよ。

 だから、本当にかけるべき言葉は「ありがとう」だったんだけど……それも言えなかったんだ。分かってても言えなかったから、泣くしかないんだ。


「お姉ちゃん」


 俺は、せめてもの思いでレインお姉ちゃんの頭をでた。

 よしよしと、おぶられながら優しくでた。

 ホントはさ。ぶつけた足の甲がめっちゃ痛いんだけどな。


「あり、あり……がと……ありがと~……ミオ~」


 うん。今度はさ、それをミラージュにも言おう。

 せまい村の中だ、今後の人生……いくらでもチャンスはあるさ。


 泣き止んだレインお姉ちゃんは、恥ずかしそうにしながら家路いえじを行く。俺は背中だよ……心地良いリズムで揺られて、実に眠いんだ。


「ありがとね、ミオ」


「……ぅん」


 ん?何か言ったか?眠すぎて聞こえなかったよ、もう一度……と、そう思ったのも一瞬だった。っすら開けた俺の目に、見知った人物の姿が、ほんの一瞬だけ映ったんだ。


「……!」


「わっ……ミオ?どうしたの~?」


 俺は一気に上体を起こして、レインお姉ちゃんごと倒れて行きそうになってしまう。そこはお姉ちゃんが耐えてくれたが、それどころではなかった。


「……」


「ミオ?」


 今の……クラウだったんじゃないか?

 俺より少し暗めの長い金髪、俺たちと同じグリーンのひとみ、六歳児にしてはませた、俺の二番目のお姉ちゃん。


 どこに行ったんだ!?何でこんな時間に一人でいたんだ!?

 まさか、俺を探して?ひいばあちゃん、ちゃんとつたえられなかったのか?

 いや……それならとっくに学校に誰かが来ている筈だ。

 別れ際はミラージュもいたし、色々と不自然だ。

 なら、探すしかねぇ。


「レインおねぇちゃん。おりる」


「え、だめよ……もう暗いし、遊べないよ?」


 違うんだよレインお姉ちゃん、違うんだ。

 でも、説明できる言葉が見つからない……どうすりゃいい!


「――やだぁっ!」


「やだじゃないよ~、だめなものはだめ、帰るの!」


 駄目だめなのはそっちなんだって!いいから分かってくれ!!


「やだぁ!!やだやだやだやだやだぁ~!!」


「えぇぇぇっ!?ど、どうしちゃったの急に~」


 そりゃそうだろうけどさ、見えた気がしたんだよ!

 クラウの他にもう一人……誰かが!嫌な雰囲気・・・・・の女がいた、そんな気がしてならないんだ!!


「だ~め!!ほら、帰るよっ!」


 くっ!レインお姉ちゃん意外と力強ぇぇ!

 ――いや、子供の俺が弱ぇんだ……畜生ちくしょう


「うわぁぁぁん!やだやだぁ~、かえりたくないよぉぉぉぉ!」


 ごめんレインお姉ちゃん!この世界ではいい子でいるって決めてたけど、今は無理だ!クラウを探さないと!


 だけど……俺の想いは届かない。

 無情むじょうにも、いくら暴れても泣き叫んでも、俺の願いは叶ってはくれなかったんだ……無力だな、子供ってのはさ。

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